第36話 激闘の図書館戦線

 本日は図書館で籠城している魔人系のモンスターの説得をしている。


 何故かそいつは本を読んでいる。


 悪そうなやつではない。


 でも魔法使いのようなモンスターだ。


 どっちかというと亜人系だが魔人だ。


「お前本好きか?」


「うん好き」


「そうか俺悪いモンスターは殺す」


「俺悪いモンスターじゃないよ」


「そうかならば仲間にならないか?」


「いいよオレマージ」


 なんか意気投合してしまった。


 そしてマージと一緒にモンスターを狩っていた。


「お兄ちゃんモンスターさんを仲間にしてしまったの?」


「ああそうだ美海ちゃん」


「ご主人はそういうところがあるんだよ」


 ラムルも最近は殆ど人語を喋っている。


 マージを仲間に加え、図書館からの脱出を試みることにした。


 しかし、図書館の外は、すでにモンスターたちの群れで埋め尽くされていた。オーク、ゴブリン、そして見たこともない異形のモンスターたちが、図書館を取り囲み、今にも襲いかかろうとしている。


「ご主人、これはまずいですね。相当な数がいます」


 マージが冷静に言った。その表情からは、普段の飄々とした雰囲気は消え、戦士としての覚悟が感じられた。


「ああ、だが、ここで立ち止まっているわけにはいかない。突破するぞ!」


 俺はモンスターハンドを構え、ラムルと美海ちゃんに指示を出した。


「ラムル、酸弾で道を切り開け!美海ちゃんは、魔法で援護を!」


 ラムルは体を巨大化させ、酸弾の雨を降らせた。美海ちゃんは、炎と雷の魔法を放ち、モンスターたちを焼き払い、麻痺させた。マージは、図書館で手に入れた魔法書を読み上げ、防御魔法と補助魔法を駆使して、俺たちを援護した。


 俺は、モンスターハンドを武器に、モンスターたちの群れを切り裂きながら進んだ。オークの硬い皮膚も、ゴブリンの素早い動きも、俺のモンスターハンドの前には無力だった。


「マージ、援護を頼む!」


 俺が叫ぶと、マージは魔法書を掲げ、光の壁を作り出した。その壁は、モンスターたちの攻撃を防ぎ、俺たちを守ってくれた。


「ご主人、敵の魔法使いがいます!注意してください!」


 マージが警告した。その瞬間、俺たちの頭上に、巨大な氷の塊が降ってきた。俺はモンスターハンドで氷の塊を破壊し、魔法使いのモンスターを探した。


「あそこにいるぞ!」


 美海ちゃんが指差した先に、ローブを纏ったモンスターがいた。そいつは、魔法書を読み上げ、次々と魔法を放ってくる。


「マージ、あれを止めてくれ!」


 俺が指示を出すと、マージは魔法書を読み上げ、魔法使いのモンスターに向かって光の矢を放った。光の矢は、魔法使いのモンスターの魔法を打ち消し、そいつを怯ませた。


「今だ!行くぞ!」


 俺はモンスターハンドを構え、魔法使いのモンスターに向かって突進した。魔法使いのモンスターは、慌てて魔法を放とうとしたが、俺のモンスターハンドが、そいつの体を貫いた。


 魔法使いのモンスターを倒し、俺たちはさらに進んだ。しかし、モンスターたちの数は減ることを知らず、次々と襲いかかってくる。


「くそっ、きりがないな!」


 俺が呟くと、マージが言った。


「ご主人、ここは一度退きましょう。図書館に戻り、作戦を立て直します」


 俺はマージの言葉に従い、図書館に戻ることにした。モンスターたちの猛攻を凌ぎながら、なんとか図書館に辿り着いた俺たちは、一旦休憩を取り、今後の作戦を話し合った。


「このままでは、埒があかない。何か、突破口を見つけなければ」


 俺が言うと、マージが魔法書を読みながら言った。


「ご主人、図書館には、古代の魔法陣が記された書物があります。それを使えば、モンスターたちを一掃できるかもしれません」


 古代の魔法陣。それは、強力な魔法の力を秘めた、禁断の魔法陣だった。


「古代の魔法陣だと?だが、そんなもの、本当に使えるのか?」


「試してみる価値はあります。ご主人、私に時間をください。魔法陣を解読し、発動させます」


 マージの言葉に、俺は頷いた。今は、マージを信じるしかない。


 マージは魔法書を読み、古代の魔法陣を解読し始めた。その間、俺たちは交代で図書館の外を見張り、モンスターたちの動きを警戒した。


 数時間が経ち、ついに、マージが魔法陣の解読を終えた。


「ご主人、準備ができました。魔法陣を発動させます」


 マージは魔法書を掲げ、古代の魔法陣を唱え始めた。図書館全体が、魔法の光に包まれ、床に描かれた魔法陣が、眩い光を放ち始めた。


「さあ、行くぞ!」


 俺はモンスターハンドを構え、図書館の外へと飛び出した。

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チート能力【無限増殖】を得た俺は終末世界でもファンタジーしている ~無限に増え続ける能力で世界最強~ 仮実谷 望 @Karimin

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