落ちこぼれ吸血姫ノエラは、お人好し聖女の血を吸い尽くために弟子入りして狡猾（？）な罠を仕掛けるも……？

　高位の魔族である吸血鬼の名門、ノクトフラン家に生を受けた落ちこぼれ吸血鬼の少女ノエラは名家の面汚しとして当主である父オズワルドに勘当され、死の谷へ突き落される。

　実力主義の吸血鬼の世界では、力なき者は容赦なく淘汰する。槍の岩がひしめく谷底に落ちて大怪我を負ったノエラは、何もできないまま、必要な血も飲めずに自分の死を覚悟する。そんな時、とある人物が唯一手を差し伸べた。

　彼女の名はアポリア。

　魔族を倒すのに有効な神聖魔法を扱うことのできる聖女。
　そんな彼女から血を飲ませてもらってノエラは命を救われた。

　けれど聖女であるアポリアへの疑念は消えず、ノエラは逆に力を吸い尽くすそうと画策する。
　ノクトフランの吸血鬼は生き血を飲み干した相手の力を完全に奪うことができる。その能力を生か…続きを読む