「十周年のトリは決め台詞？」

お題「10/羽/命令」

《今回ラストになるお題として三つ混合した「１０／羽／命令」で決まりました。

ＭＡＸ二千字が難易度劇高かもしれません（笑）明日までにメールでヨロシク！》

　なんとなく嫌な予感で珍しく午前中の起床……メール着信に気づき愕然とする。

いつものことながら内容に反論する気力を失くす最大十八時間って厳しすぎない？

　もちろん金銭が発生する「お仕事」として原稿用紙に換算して決まるんだけど。

　先ずオチを想定して適度に話題性のある時事問題に絡めて転がす通常パターン。

お題目でネタを操るとしてツカミはＷｉｎｄｏｗｓ１０の更新を迫られる現状だ。

　前提としてデビュー前の執筆用ガジェットはスマホ……もちろんフリック入力。

それが三年ちょっと前……ウェブ原稿を真っ赤なペン入れして彼女に提案された。

　毎回のように不躾な短文メールだけど実際のところ無駄を省く意味じゃ大正解。

彼女の私物だった台湾メーカーの２イン１タブレット端末は使い勝手も悪くない。

　過去人になった諭吉さん五枚と消費税で購入できたらしい新品の未使用だった。

　あれから年間に三冊ぐらい発刊されている執筆作はこれがなければ完成しない。

そろそろＷｉｎｄｏｗｓからクロームブックに移行するタイミングなんだろうし。

　クラウドサービスを利用しなければアンドロイドのセキュリティで十分すぎる。

かなり評判の悪い１１にマイクロソフト社が勧めるアカウントとエッジのヤバさ。

　サポート対象外だろうけど自分でインストールに挑戦してみるのも悪くはない。

タブレット端末でメイン使用アプリはクローム。他はＹｏｕｔｕｂｅにメモ帳だ。

　二つ目が羽はねハネ……バドミントンは興味ないし空を舞う鳩や小鳥も専門外。

鶏さんは朝からコケコッコと鳴き声が騒がしいだけで羽ばたいても空を飛べない。

　あれ……ハネモノってヤツをミーちゃんの風の噂で耳にしても見たことないよ。

　ミーちゃんが幼少期の日朝アニメで憧れた魔法少女は物理的な意味で挫折した。

実際のところ精霊力を借りた治癒魔法を使えるのが姉だったらと考えなくもない。

　赤い左目を隠そうとした眼帯で拗らせた中二病っぽい自分と違うアイドル志望。

テレビや舞台で歌って踊る真っ当なアイドルは難しくても立派な演者業の端くれ。

　コンビニで並ぶ攻略誌やＹｏｕｔｕｂｅ配信が主体の事務所でアルバイト扱い。

わたしたちお揃いで通信制の高校に通いながら作家とパチスロ演者の見習いさん。

　パチンコは戦後すぐ闇市から生まれた国内どこでもある娯楽にして賭博だった。

わかんなくてググると最初はアレ……親指で球を弾きチューリップを狙うゲーム。

　子ども時代縁日なんかで目にしたスマートボールも元々は同系のギャンブルだ。

西部劇で遊ぶコリントゲームやピンボールの発展形と考えれば意味合いが正しい。

　Ｙｏｕｔｕｂｅで見た新喜劇の間寛平さんが熱唱する「開け！　チューリップ」

それから発展して盤面中央に飛行機型役物を配置するタイプが最初期のハネモノ。

　そこで昭和末期に生まれる液晶ドット図柄三つ揃いで当たりになるデジパチ台。

令和の時代でもパチンコ店の主流になる機種はデジパチとスロットマシンなんだ。

　ゾロ目大当たりで流れる派手な音楽にジャラジャラ増える球とコインの親密性。

世界的な規模で知的富裕層のギャンブルがカジノでパチンコは庶民の娯楽産業だ。

　さて最後のお題が命令……元ネタはＹｏｕｔｕｂｅで見た半世紀前の米ドラマ。

「おはようヘルプスくん。さて今回の任務だが」毎週同様のシチュエーションだ。

　もちろん冒頭で編集の彼女から届いた指令……メールがオマージュ利用になる。

原題がミッション・インポッシブルで日本のテレビ放送時はスパイ大作戦だった。

　スタートレックが宇宙大作戦だったこともコミでセンス皆無の相乗りした昭和。

真逆の意味で円谷プロダクションが制作する怪奇大作戦は一周回りの素晴らしさ。

　さて皆さんお気づきかな？　少々強引な幕引きの展開は偶然にしてバッチ来い。

冒頭から最後の予定調和に継ぐネタからオチまで連動するような流れは様式美だ。