廃墟で起こった惨劇の目撃者は盲目の主人公だった!

盲目の人にしか見えない景色があるのだろうと感じた。

主人公は、生まれつき目が見えない障がい者。
周りの人々は、大変だねと同情してくる。
しかし、彼は目が見えないだけ、声の調子や吐息などで相手の偏見や憐れみなどの本心を読み取る事ができる。

ある日、そんな過剰な気遣いをせずに対等に扱ってくれる友人二人と、廃墟探検に出かける。そこで‥‥

はじめに感じたのは、作者が盲目の人の感情をまるで経験者の如く細かに描写していることへの驚きである。

盲目の主人公は、廃墟で起こった惨劇を自分の耳と匂いとその場の空気感だけで語る。この描写は圧巻だ。

盲目になったつもりで読んで欲しい、おススメの逸品です。

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