天使クイズ

飯屋クウ

天国or地獄

う…ここは、どこだ。

俺は確か、仕事の帰りで…。

光る物を見て…。


「目覚めよ」


「うわ!?誰?」


「上司に向かって誰とは、困った奴ね」


えっ?

天使?

俺の前にいるのは、ファンタジー映画とかでよく見る天使なのか?

というか、足元フカフカだ。

ここはまさか雲の上!?


「人の話を聞きなさいよ!最近の若者はこれだからダメなのよ」


「は、はい」


この人、羽が生えてる。

よく見たら俺にも、小さな羽があるじゃないか。

え、まさか、俺、死んだのか?


「ここは?」


「見て分かるでしょう、天界よ」


天界ということは、天国か!

俺は良い人間だったということになるよな!

死んだのは悲しいけど、悪くないよな。

この人も、見た目は美人だし、超ラッキーじゃんよ。


「つまり、天界で生きていくということですよね」


「その予定だったけど、貴方、顔がタイプじゃないから地獄行きに変更ね」


「はあ!?」


前言撤回。

美人の女ほど顔で判断する人が多くて困るよ、ホント。

もっと内面を見てよ。

神が天界に派遣した時点で分かっているだろうに、この人は何言ってるんだよ。


「それさすがに、おかしくないですか?貴方の意見ですよね?」


「そうね、でも私は課長天使、貴方は平天使。階級が違うの、社会の仕組み分かるかしら、坊や?」


ふんぬー!!

このクソ女!!

黙って聞いてたら色々吐かしやがって!!

俺が平なわけ…、平だわ俺。

ネームプレートに平天使って書いてあるじゃんよ。

にしても、課長天使ってなんだよ。

ここ天界も一般企業と同じ仕組みなのか?


「部長天使の言う事だから、最初は私も聞き入れたわ。でもダメね。貴方の見た目、生理的に無理だわ。でもチャンスをあげる。ねぇどうする?」


「クッソムカつくけど、チャンスって何ですか?」


「私はクイズを出すのが大好きなの。見事全部正解したら天界にいることを許可します」


「できなかったら?」


「地獄行き」


はぁ!?

この女、マジムカつくんだけど!

こんなのが課長なのかよ!

終わってんな、天界!!


「分かりましたよ。但し旨みがないんで、天界にいるじゃなくて、問題起こしてもアンタが責任を負うってことにしてくれよ」


「いいわよ、1回だけね」


「うし!交渉成立だな!」


絶対、この俺がアンタの上に立ってやるからな。

その時は、覚えてろよ。






「それでは第1問。神はいますか?」


はぁ?

宗教問題じゃねーか!

そんなの…いるに決まってんだろ!


「神はいる」


「正解。次は私と貴方、同じ宗教に属するとしたら何になると思う?」


はぁ?

何だそりゃ?

おれんちって、何教だっけ?

日本って何教が多いんだっけ?

2択のはず。

てか同じなの?


「仏教だったような」


「そうね、正解。では仏教の六道と四聖で言うと人間界はどちらに含まれるのかしら?」


なんじゃそりゃ?

知らねぇ。

全然分からねぇ。

でもそれだけあって、聖ってのはなんか違う気がする。


「六道だ」


「正解、さすがね」


おっしゃあぁぁ。

俺の頭は冴えてる。




「次は人口問題。日本で一番人口の多い都道府県は東京都。2位はどこでしょう?ヒントは関東」


急に難問きたぁー!

でもヒント出してくれるなんて、意外と優しいな。

関東て言われなかったら大阪府って答えてたところだ。

でも関東か…。

埼玉か神奈川だろうけど、どっちだ。

内陸より海側かな。


「神奈川で」


「正解、順調ね」


2択を外さない、さすがの俺。

自分に酔いしれてしまいそうだぜ。


「44位から47位は、四国地方が独占している。◯か☓で答えよ」


ワースト独占してたらやべーよ。

でも四国行ったことないからなぁ。

田舎のイメージ強いし、可能性はあるけど、全部ってことはないだろう。


「バツで」


「正解」


よし!

2択の平天使とは、この俺のことだぜ。




「次からは秒数カウントタイマーを設置するわ。0秒になったら不正解と同じ扱いね」


おいおい、課長天使さんよ。

俺がクイズ強すぎるからって、そりゃいけねぇよ。

まぁ、今の俺なら全部楽勝だぜ。


「高校生のA君はある日、身に付けていたものや衣服を取られて帰る日がありました。いじめではありません。A君は気分よく帰りました。それはなぜ?」


それは、あれだろ。

俺にはなかったイベントだ。

悲しいがな。

俺の高校生活。

カムバックミー。


「卒業式だったから」


「正解。次の問題。夫婦のB子とC郎はある日喧嘩をしました。その発端はC郎の発言、君が嫌いだ、という言葉。でもその翌日には仲直りしていました。理由は?」


これはなんか聞いたことあるような。

確か、あれだよな。

俺も白身の方が好きなんだよ。


「キミは卵の黄身のことだとわかったから」


「正解」



ふっ、俺は出来る男だぜ。

てか問題多くねぇか?

もういいだろうよ。



「今は何問目?」


「八問目だよ、もういいだろ!」


「正解、でも残念あと少しよ」


「もう俺のこと見極めただろ?」


「まだね」



この女ときたら、負けず嫌いだぜ。

屈服させた時は、さぞ気持ちいいんだろうな。



「次は簡単。D君とE君は肝試しで洞窟にやってきました。ただそこは肝試しでは有名で他にも人がいました。人の多さにうんざりしたD君達でしたが、せっかく来たこともあって中に入りました。しかしすぐに引き返しました。なぜでしょう?」


は?

どこが簡単?

どうゆうことだ?


「ヒントをくれよ」


「なぜ?」


「簡単じゃねーからだよ!」


「そう、ヒントをあげるかわりに、次回はタイマーを50秒削ります。いいですか?」


「次回?」


「そう」


「次回ならいいよ」


「交渉成立ね。ヒントは洞窟が湿っていて、彼等は懐中電灯を持っているということ」


はぁ?

なんだそりゃ?

湿る、歩く、照らす、人…。


「30秒前」


何か視えて慌てて逃げたとか?

それだと答えになってないか。

確か他にも人が居て、驚かされたとか?

ありえるけど、それが答えでいいのか?

湿るっていうのがミソだな。


「20秒前」


「分かった。天才の俺様だったからこそ解けた謎だ」


「答えは?」


「戻りの足跡がなかったからだ。行きの足跡しかなくて、怖くなって洞窟の外に出た、これが答えだ」


「正解」



はっはっは。

神級だな俺様は!


「じゃあLAST問題」


「なんでもかかってこいや!」


「この小説は、カクヨムのお題で執筆!!短編創作フェスに出してるんだけど、お題は何個使ったでしょう?」


は?

かくよ、む?


「なななんだよ、それ。かくよむって何かの魔法か?」


「いいえ…は〜ち、な〜な…」


「小説ってなんだよ!どういうことだよ!」


「貴方は主役、私は脇役、分かって当然…ろ〜く、ごぉ〜…」


「意味わからねぇよ!俺が主人公なのはそうかもしれねぇがな、問題が意味不明なんだよ。答えられるかよ」


「よ〜ん、さ〜ん…」


「だいたい幾つあるんだよ!全部でさぁ!」


「にぃ〜、い〜ち…」


「もう破れかぶれだ!答えは1だ!このクソ女!!」


「ぜ〜ろ…ふふ、あ〜残念。不正解。地獄に堕ちろ糞野郎。これは上司として最初で最後の務め、絶対◯◯!!」








さて、汚物も排除したことだし、普段の業務に戻りましょう。

今日も天界は大忙し。


そういえば、皆様はお分かりになりましたか?













【完】


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