マリッジブルー

403μぐらむ

エピソード

「今日は雨か……」


 夏の暑さがまだ居座る中、秋雨前線がとある地方に大雨を降らせているというニュースを今朝のテレビで見た。

 そこは知り合いもいないとある地方のことだったので「大変だな」程度の感想と被害が出たら義援金の寄付ぐらいはしようって思ったのを覚えている。


 雨の中の通勤はまさしく痛勤で電車の車内は蒸し暑く非常に気持ち悪かったが乗車時間はせいぜい30分程度なのでビジネス英会話のポッドキャストを聞いてなんとか気を紛らわす。

 ただ地下鉄の駅から徒歩5分のオフィスに入ってしまえば、俺の業務は基本事務仕事なので、雨降る中外出するような用事もなく快適になる。昼食だって今日は社食でいいだろうって決めていたし。



 午後16時過ぎ。終業まではまだ時間もあるし、閑散期に入ったので仕事も忙しくないこともあって居眠りしそうになっていたところに一件のチャットが入る。


「島崎? ……あ、ああ。あの島崎か」


 同じ高校出身でたまたま偶然にも同期として同じ会社に入社していた島崎からのチャットだった。こいつとは部署も部門も違うので、チャットなんて新入社員のとき以来してなかった気がする。


「えっと『久しぶり、何か用事?』っと」


 島崎とは同じ高校出身といっても、当時は友達じゃなかったし、お互い言われてみれば居たような気がするというくらいのレベルの認識しかなかったように思う。

 実際に会話したのだって今のこの会社に入社して新入社員研修のときに話したのが多分初めてだと思う。たまたま出身地の話になって高校が同じだって気づいたくらい。その程度だったし今でもそんなに関係性は深まっていない感覚。


『今夜、時間ある? 飲みに行かないか』


 いきなり顔見知り程度のやつからのお誘いに戸惑うばかりなのだけど、きっぱりと断るような理由もない。暫し悩んだが、まったく知らない仲でもないので一度くらいは付き合ってもいいかと了承のチャットを送っておいた。




 さて久しぶりに顔を合わせた同期の男だが、こんなにもやつれた感じだったっけというのが一番の印象。もとから陽キャというよりも陰キャ寄りなタイプだとは思っていたけどここまでひどくはなかったと思う。

 新入社員のころはもう少し中肉中背よりもやや肉付きがいいといった感じで、それなりに高い背筋もぴしって伸びていたような気がするのだが、今目の前にいる島崎は痩せて頬もコケた感じだし目の下にもうっすら隈がある。

 それより何より伸びていた背中が気弱そうに曲がって猫背になっているのがすごく気になってしまう。


 彼の所属する部署はこんなにも風貌が変わるくらいにベビーな職場なのかとビビったが、社内のウワサでもそんなことは一度も聞いたことはなかった。一応我が社は業界でもホワイトで通っているのでね。

 気になるようなら酒を飲みながら聞いてみればいいやととりあえず気にすることは止めた。まあ、俺も他人の悩みごとくらいは聞いてやるだけの甲斐性は持っているつもりだから。




 島崎が用意したのは会社の最寄り駅から3駅ほど離れた繁華街から少し外れた個室のある居酒屋。流行っているともそうでもないとも言えないなんとも地味な感じの店だった。

 会社からここに移動するまでも大した話はしていない。俺から話を振って島崎が二言三言答えるみたいな感じでまったく盛り上がらない。

 せっかく数年ぶりに会ったのだから積もる話もあるかと思ったのだが、思いの外話すことがなく無言になることもしばしばあった。なんで誘ってきたんだという疑問が膨らんでいく。


「仕事、どうなんだ。忙しそうじゃないか? 島崎も責任ある仕事を任されているって感じなのか?」


「まあ、ぼちぼちかな。いくつかプロジェクトのサブリーダーをやっているくらいかな」


 話しぶりからして仕事のほうで追い詰められているって感じは見受けられなかった。業務の内容は平均的だし、負荷もそれほどかかっているようには思えなかった。どちらかというと俺の業務の方が高負荷だと思えるくらいだった。


 そこからは仕事の話だったり、同期の奴らの話をしたりとポツポツだけど会話にはなってきた。酒が入って少しは口が軽くなったのかもしれない。

 高校の時の話になったときは少し口が重くなった気がするが、気の所為だったのかもしれない。

 それでもしばらく喋っていると話題は最近の秋雨についての話くらいしかなくなってきて、これはいよいよ話をするネタがなくなってきたのかもしれないと思ってくる。ホントなんで飲みに誘ってきたんだよ。



 それにしてもこいつのこんなにも疲弊した感じはなんだろう? 最初からの疑問だけが解決されずに残ってしまっている。

 ただの知り合い程度の俺が聞いていいのかわからないし、ズケズケと聞けるほど厚顔無恥なわけでもないのでこういうのが一番困る。それでも何かしら悩み事があるようには見えるので一応話を振ってみることにした。


「なんかさ、島崎って入社の頃はもう少し肉付きよくて背筋もシャンってしてたと思うんだけど——最近疲れてんのか?」


「…………」


「ええと、悪気があるわけじゃないんだけど、おまえ痩せたよな? あと姿勢もあまりいいとは言えない気がするんだけど……仕事で何か嫌なこととかあったのか? 上司と馬が合わないとか……」


「いや。仕事は、順調だよ。上司には、残業が多すぎるとかいろいろ指摘されて困ることはあるけど、基本的に悪い人じゃないし問題があるとしたら僕のほうが問題なんだよ」


 やはり仕事は関係ないようだ。仕事関係だったら話が早くて悩みもグチも聞く体制はできているんだけどな。


「つまりは私生活で悩み事……的ななにかがあるということなのか?」


「ああ……」


 島崎は猫背なのが更に丸くなって、俺よりも10センチは背が高いだろうにものすごく小さく見えた。


「俺で良ければ——聞くだけでいいなら、聞くけど?」


「うん……。あのさ、僕、3年前の25歳のときに結婚したんだ」


「えっ!? そうなの。ごめん、まったく知らなかった」


「いや、いいんだ。挙式もしてないし、周りにも特に教えていたわけじゃないから知っているのは同じ部署の人くらいだから」


 結婚や異動などがあったときは同期会のチャットグループに連絡くらいするのが普通なので、教えていないというよりも隠していたという方がしっくり来る感じ。故に聞いたのは失敗だったかという気持ちが湧いてくる。


「えと、奥さんとは前からの知り合いだったとか?」


 さっき一瞬高校時代の話を振ったとき口が重くなったから俺の高校の時の知り合いと結婚したからとか思ったんだけど。

 実は俺の高校時代の元カノが島崎の嫁さんとかだったら、じゃっかん凹む気もしなくもない。


「いや、大学の頃の友人の紹介で会ったんだ。妻は僕より歳が4つも上なんだよ。今考えれば、もうその時にはターゲットにされていて体よく誘い出されたのかもしれないなんて考えちゃうけどな……」


「ターゲット……つまり狙われていたってこと? おまえ資産家の息子とかだったのか?」


「違うよ。バリバリ一般人家庭の次男だよ」


 じゃあ何をどうしたら女性に狙われるような事があるんだよ。もしかしてこいつ、自分モテますアピールをしていたりするんじゃないだろうな?

 ただそういう感じはまったくなく、どちらかというと悲壮感漂う雰囲気なので違うんだろうな。


「どこかで会っていて惚れられていたとか? おまえに紹介したのって大学の頃の友人なんだろ?」


「違う。完全に初対面。あっちは普段の生活では出会うようなことのない職業のヒトだったし」


 彼の嫁さんは平たくいうと元水商売の女性。もっと端的に言うとキャバ嬢だったらしい。

 大学時代の友人とやらはそのキャバ嬢の客だったらしくそこからの繋がりから島崎がどういうわけか引き合わされたらしい。


「最初に会ったのは普通のパブレストランだったんだけど、気づいたら友人は帰ってしまっていて彼女と二人きりにさせられていたんだ」


 最初は島崎も食事だけしたら帰ろうとしていたみたいなのだが、彼女一人残して帰るわけにもいかなくなり、しばらく二人で酒を飲んでいたらしい。

 で、当然のように彼女の方からホテルに誘ってきたそうだ。島崎も初めはなんか怖くて断っていたらしいんだけど、そこは百戦錬磨のキャバ嬢には敵わなかったらしくあえなく陥落。ベッドインを果たしてしまったらしい。


「ピルを飲んでいるからゴムはしなくていいって言われたんだ」


「ほう。それは魅力的な提案だな」


 そこまでのシチュエーションになればもう後戻りする気にはなれないだろうし、俺でも断るどころか積極的になってしまう可能性は否めないだろうな。


「そうなんだよ。それで、言われるがまま生でしちゃったわけなんだけど」


「えと…………まさかと思うけど、事故った?」


 コクリと項垂れるように頷く島崎。


「たぶんだけど、ピルなんて飲んでなかったんだと思う。そうじゃなきゃそんな一回で妊娠なんかしないだろうし」


「騙されていたってことか? もしかして、それが元でデキ婚になったとかいう流れだったり?」


 アラサーのキャバ嬢が結婚を焦って、大人しそうな年下の男をその毒牙に掛けた、みたいな感じなのだろうか? ちょっと背筋が冷たくなったぞ。


「たしかにね。その子、妻のことだけど。見た目は職業柄なのかそれなりに可愛んだよ。どう見てもアラサーには見えないし、話は面白いしね。それにたとえ騙されていたとしても僕にも妊娠の一端の責任はあるからまあ最悪ってわけでもないかなって腹くくったところもあったんだ」


「おまえ、偉いな。俺だったら絶対に堕ろさせるし拒否されたら仕事も放りだして全力で逃走することしか考えないと思う。情けないけど、そういうのが普通じゃない?」


 騙し討ちみたいな妊娠で出会ったばかりのオンナに結婚を迫られたらそりゃ恐怖のほうが先に立つっていうものよ。


「それで、いざ結婚ってなっても住むところがないじゃない?」


 島崎の当時の住まいは田無の1DKマンションだったらしいし、彼女の方も経堂にあるワンルーム住まいだったらしい。


「僕としてまだ心の準備ができないっていうか。それで別に別居でも良かったんだけど、つわりとか辛いから一緒がいいって彼女がいうもんで……」


「新しいところでも借りたのか?」


 今度は首を左右に振る。どういうことだ?


「彼女の実家に一緒に住むことになった……」


「え? マ? 嫁さんの両親が家にいるんだろ? まさか二世帯住宅なんかじゃないだろうし」


「そうなんだ。普通の4LDKの一軒家でさ、義両親がそれぞれで二部屋を使っていて、僕達の寝室が二階の片方にあてがわれたんだ」


「もう地獄絵図じゃないかよ。そうだ、もう一部屋あるならせめてそこをおまえが使えるようにしてもらえばよかったんじゃないのか?」


「そこは子供の頃からの妻の部屋で、今でも妻が使っているし、将来は子供部屋にするって……」


 聞いただけでも息が詰まりそうだ。今にも酸欠でぶっ倒れそうになる。


 ちなみに嫁さんが一部屋を使っているのは動画配信者として撮影に使っているからだという。言っても収益は殆どないらしいが。


「僕の居場所がないんだ……」


「わかる」


 義両親と嫁さんと子供の4人でいつも行動をともにするし、殆ど島崎は一緒にはいないっていう。どこかに行くと言っても家にあるのは義父の軽自動車だし4人乗りだから島崎が仲間はずれのくじを引くらしい。

 島崎と義両親はあまりうまく行っていないのかもしれない。聞く限りの嫁さんの言動じゃそれも致し方ないような気もしなくもないが。


「そもそも一緒になんかいたくないから、のけ者にされるのは大歓迎なんだけどね」


「さみしいこと言うなよ」


「僕は妻の既婚者っているステータスと子供にとっての父親っていう称号を入手するためだけに用意されたNPCみたいなもんなのかなぁって思う時がある」


 そう言って島崎は氷の溶けた酎ハイのグラスを一気に飲み干した。


「とにかく、僕はいる場所がどこにもないんだ。だから、毎日不必要な残業もしているし、休日出勤もしてなんとか居場所を作っている感じなんだ……」


「あ、ああそれで上司に文句言われたってわけだな。うちの会社も昨今の働き方改革ってやつでムリムラムダな残業は圧縮傾向だもんな」


「今日も絶対に残業は許さないって課長に言われてさ」


「それで俺を誘ったのか?」


 誰にも話すことができなかった悩みをただ高校の同窓生ってだけで俺を頼ってきたということなのか。いっても聞くだけで解決なんかは絶対に俺じゃ無理なんだけど。


「申し訳ないな。友人でもないキミにこんなつまらない話を聞かせてしまって。でもなんというか、高校時代の同窓生って細い縁にでもすがりたい気持ちだったんだよね」


「まあいいよ。えっと、聞いていいかわからないけど……」


「いいよ。何でも話すし、聞いてほしいから」


「じゃあ聞くけど、離婚しないのか? 今の話じゃ結婚している意味ないと思うんだけど」


「子供もいるしできないよ。本当は好きな人がいたんだけどそれももう諦めたのにいまさら離婚なんかしたら、ね……」


 島崎ははっきりと言わなかったけど、その好きだった人というのは高校の時の同級生の女の子だったらしい。結婚前までは少ないながらも交流は続いていたようだ。


「子供もさ、可愛くないんだよ。自分の子なのにね。おかしなもんだと思うけど、そんなもんなのかな……」







 それから暫くは、島崎とたまに飲みに行ったり、気晴らしにでもなればとナイター競馬なんかにも連れて行ってやったりしていたのだけどそうそう毎日は俺としても誘ってなんかいられない。

 それにやつの口から出る言葉は「疲れたし辛い」「投げ出したい」「消えてなくなりたい」などネガティブなものばかり。こっちの気が滅入ってくる。


 このままじゃ潰れかねないと思って仕方なくいくつかの時間つぶしの方法だけ考えてやったし、会社でもなんとか課長からも目をつけられない程度まで居残れるようにすることには成功したのではないかと思う。


 ただの同期にそこまで俺のやる義理はないのだと思うのだけど、放って置くのも寝覚めが悪くなりそうだったので最低限のアドバイスだけはするようにしていた。

 それでも島崎は日に日に痩せていっているような気がするし、生気も覇気もまったく感じない生きる屍のようになっていく。


 季節は巡るがあいつはまったく変われないように見えた。






 もう年末だというのに今日の最高気温も15度を上回るらしい。お天気キャスターのお姉さんが異常気象だと大げさに話しているのを横目で見る。

 それでも通勤電車は厚手のコートを着たサラリーマンでいっぱいだ。気温が高いこともあり寒いどころか暑いくらいで車内の暖房がうらめしい。今日もポッドキャストでこの時間をしのぐ。


 オフィスの自分の席に座ってやっと人心地がついた頃、パソコンに一件のメッセージが着信した。同期会からのメッセージらしい。


『【訃報】同期の島崎洋平さんが昨夜お亡くなりになったそうです。通夜は明後日、葬儀は明々後日とのことです。ご参列される方は幹事の吉岡まで連絡ください』




 通夜には行った。棺の中の島崎を見たがやっと穏やかになれたのか、静かに眠っているようだった。死装束が不自然なほど首周りを隠しているのが目についたが。

 島崎の死因は病死だってことで情報が回ってきていた。つい最近も一緒に飲みに行ったのだが、以前よりも更に痩せてしまった感じはあったが案外と元気だと思っていた。本当に病気だったのだろうか。


 通夜では義両親は比較的普通に参列者の対応をしているようだった。実の両親らしき夫婦は泣き崩れており焦燥しきりなのに。一方彼の妻も涙に暮れている雰囲気は醸し出していたが、それが本心からなのかは俺には分からない。

 2~3歳の男の子が一人で車のおもちゃで遊んでいたのが印象的だった。


「似てないな……」


 遺された人たちの、特に子供の、心情には同情する気持ちがないわけではないが、居場所がなくて苦しんでいた島崎のことを考えるとなんか複雑な気持ちになる。




 帰りは同期の連中と島崎を偲び居酒屋で飲んでから帰ることにした。


「なんかさ、近所の人から聞いたんだけど島崎が亡くなった夜は救急車だけじゃなくてパトカーも来ていたらしいぜ」


「わたしも聞いた。あれは病死ではなくて自殺だったって。夜中に寝室で首を吊ったって話だったよ」


「過労死だとか、会社が仕事を彼に押し付けていたみたいなことを奥さんは言っていたみたいだけど、ここ最近あいつ残業も何もしてなかったような気がするけどな」


「あいつ何か悩み事とかあったのかな……」


「助けてやれなかったことがショックだよな」


 同期の皆が話しているが、一番のショックを受けているのは間違いなく俺だ。あれだけ相談——というかほぼ一方的に愚痴られていただけだが——をされていたのに結局何もできなかった。


 あいつが最後、元気に見えたのはもう死ぬことを決めていたせいかもしれない。


 悔やみきれない思いが酒を苦くする。











 ——————

 ————

「——という話を先輩から聞かされてさ。なんか沙耶香がそんな事するわけないのになんだか怖気づいちゃって……」


「もう! その先輩ってヒト酷すぎるねっ。だからって来登がマリッジブルーになることないのにぃ」


「だよな。ごめん」


「謝らないでいいよ。確かにうちも二世帯住居は早かったかなって思うけど、資材高騰で先々のこと考えたら早めに手を打たなきゃだったでしょ?」


「まぁ、仕方ないとは思うよな」




 俺、柴崎来登は二つ年上の婚約者である井上沙耶香と来月結婚する。

 知り合ってから半年にも満たない期間で結婚に至ったからか、会社の先輩が先般の話をこの前お祝いだっていって催してくれた飲み会の席で話してくれたんだ。それにしても何ていう話をしやがるっていうんだ。冗談も程々にしてほしい。


 しかし俺は沙耶香のことを疑っているわけでもない。たしかに俺もあの話と同じ避妊失敗からのデキ婚だけれど。ただ、プロポーズは妊娠に気づく前(本人談)の沙耶香からだったのと、住居は二世帯住居を建設するって最初から決まっていたような節があったのは引っかかるところ。

 とはいえ俺は沙耶香のことが好きだし、みんなに祝ってもらいたいし、子供だって早く生まれてきてほしいと思っている。だから先輩のあの話の島崎って人からは程遠い状況だと思うのだけど、名字も一文字違いとか共通点が多すぎて頭から離れないんだ。


 まさかあんな話を聞いて自分のほうがマリッジブルーになるとか信じられないよ。


「大丈夫だよ。わたしは来登のこと大切にするからね」

「ああ、俺も沙耶香のことを大切にするよ」











 ………………

 …………

「……先輩、先日はありがとうございました」

「いやいや。俺こそ変な話をしてしまって悪かったな」


「そうですよ。お陰でマリッジブルーになったみたいですし」

「ほんとか悪かったなぁ。ああ、そういえばあのとき話し忘れたことがあって」


「なんですか?」

「托卵っておまえ知ってるか?」

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