トースター島のひみつ

まさつき

リサちゃんと、お宝探しの探検に

 お昼ごはんを食べ終わった、日曜日の午後のことです。

 パパはのんびりと新聞を広げて、最近火山の爆発でできたという離島のニュースを眺めていました。

 そこへ、4歳になったばかりの娘のリサちゃんがテケテケと、パパの元まで走ってきました。

「パパ、見て見て!」

 そう言ってリサちゃんが、うれしそうにパパに絵を見せました。

 リサちゃんは絵を描くのが大好き。

 今日も新しい絵を描いたので、大好きなパパに見せにきたみたいです。

「わあ、きれいな絵だね」と、パパはびっくりしました。クレヨンで描いた絵は、赤や黄色やいろんな色が塗られています。

 とてもじょうずに描けた絵は、とてもふしぎな島の絵でした。

 青い海の真ん中に、ハコみたいな形の島が浮かんでいました。

 島には、大きくて細長いたて穴が、二つ空いています。一つの穴から、平べったい山が飛び出すみたいに生えていました。

「これはなんていう名前の島なのかな?」と、パパが訊きました。

「トースター島だよ! 宝モノの地図なの。海の向こうにあるリトウなの」

 どうやらリサちゃんも、テレビのニュースに影響されたみたいです。離島という、難しい言葉の意味も覚えたみたい。

「へえ! お宝かあ。どこに隠してあるのか、リサちゃんは知ってるの?」

 パパは興味津々で訊きました。パパも、お金持ちになりたいのかもしれませんね。

 身を乗り出したパパの顔の前で、リサちゃんはトースター島の絵を裏側にひっくり返してみせました。

「隠したところはね、ヒミツの言葉をカイドクしないと、わからないの」

 絵の裏には、まだへたっぴだけど、いっしょうけんめい書いた字で、ふしぎな言葉が並べられていました。


 さいしょは、「パパとママのおへや」

 とってもきけんな「かいだん」

 よるのおトイレでこわい「ろうか」

 だいすきな「ピッピちゃんのねどこ」

「おトイレ」はちょっとくさい

「トースターとう」に、ひみつががあるよ


「あ、わかったぞ」

 パパはにっこりしました。パパはすぐに宝もののありかを解読できたけど、リサちゃんに答えは言いませんでした。

 リサちゃんと探検することにしたのです。

「それじゃあリサちゃん、宝ものを探しに行こう。一緒に探検だよ!」

「わあい」

 大喜びしたリサちゃんと、パパはさっそく宝探しの探検に出発です。

 まず、パパとママの寝るお部屋に行きました。日曜日のベッドは、いつもくしゃくしゃになったままでした。

 それから、階段を下りました。つるつるしていて、昔おばあちゃんが転んで大変なことになったことがある、危ない場所でした。

 夜はとっても怖い廊下は、今はお昼だしパパと一緒なのでへっちゃらです。

 猫のピッピちゃんは、お昼ご飯を食べたのでもうお昼寝をしていました。

 おトイレにもちょっとだけ寄ろうとしたけど、中にはママが入っていたので、のぞけません。ちょっと臭かったのは、パパとリサちゃんだけのひみつです。

 最後にやってきたのは、リサちゃんのお部屋でした。ドアを開けると……。

「トースター島をはっけん!」

 リサちゃんが大きな声でいいました。

 お部屋の隅っこに置いてある古いトースターを指さしています。壊れちゃったトースターから電気をはずして、パパがおもちゃにしてくれたものです。

 パパはそっとトースターを持ち上げてゆすってみました。カラカラと音がします。

「どれどれ……」

 ゆっくりとひっくり返しながら、もう一度トースターをゆすります。

 コロコロコロ……カラン!

 トースターの中から、リサちゃんの大切なビー玉が出てきました!

「やったー! 宝もの見つけたあ!」

 リサちゃんは大喜びです。どうやら遊んでいるうちに、トースターの穴におっこどして取れなくなったみたいですね。

「よかったね。お宝が見つかって」

 パパも、うれしそうです。

 それからのリサちゃんは、たいせつな宝ものは必ず決まった場所にちゃんとしまうようになりましたとさ。

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トースター島のひみつ まさつき @masatsuki

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