デスゲームものの主人公
「
やっとボールが回ってきたので、早速試してみた。はてさて上手くいくかどうか。
俺は一つだけ危惧していることがあった。それは、ボールを壊してしまうのではないかということである。まあでも、壊れても特に問題はないようなので、試しに2%で打ってみた。
2%の神炎紅矢はありえないスピードにまでボールを加速させ、相手選手の腹にぶつかった。ちなみに吐血していた。
「ぐふぉ。」
そう、こんな感じに。
「やっっっっちまっっっったぁぁぁぁ!!」
あれ俺殺されるんだよね確か。いやでも被害者にけが人が含まれなければセーフ……であると信じよう!
そうブツブツ考えていると、ふと背中に強い視線を感じた。気になって振り返ってみると、そこには学長の姿があった。何やら口を動かしているようだ。
『読み取り、読み上げますか?』
(ああ、頼む)
『な、に、や、っ、て、ん、だ、よ、わ、た、し、は、ま、だ、し、に、た、く、な、い、ぞ。』
何やってんだよ。私はまだ死にたくないぞ……???
そこで俺は思い出した。学長が言うには、被害者(死人と仮定する)が出た場合、俺と学長が処刑される、と。俺のせいであの人の人生が終わる可能性がある、と。
いやいやいや!プレッシャーやめてくださいよぉぉぉぉ!!!
そもそもスキル使用を義務化したのはアンタだろうが!
まて、俺はラブコメがしたかっただけだったよな……?
なんで?なんで、デスゲームものの主人公みたいになってんの……???
ほんとなんでだろ。
「ティア!前!」
この声の主はおそらくリラであろう、言われるがままに前を向くと、一人の相手選手が俺に向かってボールを投げた直後だった。
「
俺と同じような原理でボールを加速させたのだろう。ボールは勢いを増して俺に向かって飛んでくる。
いや別に俺外野だから相手の内野がこっちの外野に向かって投げただけの状況だから特に問題はないのだが。
ここまでの戦況からしてこっちの主砲は間違いなく俺である。ここであのボールをもし食らったのならば少なくともこの試合中は痛みに悶え苦しみ、戦闘不能となるだろう。何せあの魔法は威力に制限をかけていなかったのだ。そうなれば俺たちのチームの勝率は格段に下がる。なんとしてでもそれは避けなければならない。
『確認です。闇魔法、
(よくわからねえけどそれでこのピンチを回避できるんならイエスだ!)
俺は女神と声を揃えて魔唱を唱えた。女神が言った言葉を必死に繰り返した。
『「黒き空、果てなき淵、この身を守り、全てを貪れ!
直後俺の目の前を黒い霧が覆った。
「おいティア!何勝手に他の魔法を発動してんだ!
ルイス先生と思わしき声がする。すいません、先生。でも、やっぱり。
「勝ちたいんです!」
「……はっ!そうかっ!やれるんだな!?」
よく、聞こえない。でも言わんとしていることはわかった。
「やれるだけ、やってみます!!」
黒い霧は俺の視界全てを覆った。そして、霧にボールが当たる音がした。
ドスッ!
黒い霧はまだ晴れない。
霧でよく見えなかったが。黒い霧はボールを後押しする魔法の矢を砕いていくように見えた。そして矢が完全に消え去ったとき、黒い霧も完全に晴れた。
ボールは、何事もなかったかのようにギリギリこちらの外野側に転がっていた。
俺はその後、神炎紅矢を駆使し、外野で戦い続けた。元外野なので、内野に入ることはできたが、あえて外野で戦い続けた。
俺達はドッジボールで無事、勝利を収めたのだった。
ちなみに女神によると、
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