不思議です。同じ体験をしていないのい、一瞬で、懐かしい世界に連れて行ってもらいました。温かみのある素直な文体の力、作者の感受性のたまものだと思います。
「おとうにんさん」は、日間田葉先生の心温まる描写が魅力のエッセイです。子どもの頃の思い出や郷土愛を感じさせてくれる素敵な作品でした。読むと、心が温かくなるような感動を与えてくれます。祭りや家族との時間を通じて、日常の中にある幸せを見つける。その重要性を伝えてくれています📚✨。
金比羅山ということは、香川県だろうか。筆者先生は、金比羅山の麓を、鼓笛隊に混じって演奏しながら歩いたのだそうだ。勇壮な行進だろう。子供の頃の『お祭り』の記憶は、記憶に残るものである。大人になってから、当時盆踊りが行われていた神社に赴けば、「こんなに小さな神社だったんだ!!」と驚くことがある。賑やかな屋台。たくさんの人。学校以外で鉢合わせるクラスメート。それは、日常の中で感じる、非日常。それが『お祭り』という行事だからなのかもしれない。
「おとうにんさん」と呼ばれる子ども達の果たす役割。華やかな大行列。そんなお祭りの記憶には、食べものも登場します。ああ、こんな思い出がおありなのか。いいなあ。そう思うのは、子ども時代へのノスタルジーか、今では見られなくなった風物への愛おしさか。作者様の記憶を通して、貴重な体験と、心が温かくなる幸せを分けていただいた気持ちになりました。
お祭りも規模が小さあなって、寂しいもんやねえ。そやけど作者の心にはしっかりと遺っていて、それを伝えてくれてるねん。昔はこうやって甘酒を作っていたんやね。飲んだわけやあらへんのに心がほっこりと温くうなって、穏やかな気持ちになれてん。郷里のお話ってええなあ!