第5話
菅野くんも少し慌てて進くんに軽く頭突きした。
「お前、変なこと言うな!」
「兄ちゃんが弁当間違えるから、俺ちょっと恥ずかしかったぞ!ごめんって言えよ!」
おぉ……!話が飛んだ……!
「あぁ、ごめんな」
「兄ちゃんが朝急げってゆーから、朝急いだのに!」
「うん、ごめんなさい」
そして進くんを自転車の椅子に乗せる。
「椎夏ちゃん送るから駅まで行くぞ」
「えきっ?!じゃあアイス買う!」
「新しいの買ったぞ」
「コーンのやつがいいー!」
はぁ、とため息をつき私を見る菅野くん。
「……そうゆうこと」
小さく呟き頭をかく菅野くん。
「俺、放課後デートも、朝一緒に行くのも無理。
部活終わるのがギリで迎えに行かなきゃならねんだ」
だから菅野くん、朝遅刻しがちなのか。
「チャリもこんなだから学校まで行けねーし。
あそこの駅の駐輪場、無料だから使ってる」
「兄ちゃん、見て!電車っ!」
駅に近付くと進くんがはしゃぎながらそう言った。
私は色々納得し大きく頷く。
「じゃあ、これからは部活待ってなくて良いよ」
不思議そうな菅野くんに私は笑いかけた。
「終わるのギリだったら待たない方が良いよ。
ってゆうか、もっと早く教えてほしかったな。
そしたら私、ゲーセンなんて誘わないし、跡も付けなかったのに」
進くんはアイス選びに夢中になっている。
「……嫌じゃねーの?帰りとか一緒が良くない?」
「え?部活がない日、一緒に帰れば良いよね?」
進くんが私を見るので私も笑いかけると菅野くんに隠れる。
「じゃあ、また明日ね!」
「あ、待って、椎夏」
菅野くんに腕を掴まれ少しビックリした。
「なあに?」
「いや、その……、えっと」
なぜか恥ずかしそうにしてそれから呟く。
「……まじ、好き」
逆に恥ずかしくなると進くんに叩かれた。
「なぁ、なぁ、椎夏」
「あ、はい」
「また来ても良いぞ」
手を腰に当てて言う進くんを菅野くんが軽く叩いた。
2011.02.05
不良男子の放課後 斗花 @touka_lalala
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