そして、帰宅
四谷流星×坂本鈴音
東京駅で解散して、詩織と結奈ちゃんと同じ電車の路線を探す。
「あれ、スズ。携帯光ってるよ」
結奈ちゃんに言われて携帯を取り出すと先輩からの着信だった。
「もしもし!」
「おー、スズ。東京着いたか?」
結奈ちゃんが口パクで「らぶらぶー」と冷やかしてくる。
「そんなことないよ!」
「……あれ?まだ東京じゃない?」
結奈ちゃんに言ったつもりが先輩に言ったことになってしまった。
「いえっ!東京です!
先輩、何かあったんですか?」
シーンとなる、電話の向こう。
「あれ?せんぱ-」
「何で四日間、メールも電話もしてくれないんだよ」
私は先輩の言葉に思わず立ち止まる。
「ご迷惑かと思い……」
結奈ちゃんと詩織が不思議そうに私を見る。
「心配した」
「すみません、」
「何もなかった?」
結奈ちゃんがわざと大きな声を出す。
「寝言で先輩の名前呼ぶ程寂しかったですっ!」
「……え?」
「いやっ!今のはちが、」
「先輩のお土産選ぶのに30分位かかって秀ちゃんに怒られましたー」
「ちょっと、結奈ちゃん!」
また静かになる電話の向こう側。
「今のは気にしないでくださいっ!
言ってるのは結奈ちゃんですからっ!」
ふーん、と言ってから声を色っぽくして先輩が囁くみたいに言う。
「なぁ、スズ?」
電話越しでもドキドキする。
「は、はい」
「早く、あいたい」
赤くなる私を見て詩織と結奈ちゃんが声を潜めて笑った。
**
たった四日だろ。
新幹線に乗って 斗花 @touka_lalala
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