何処からツッコもうか

天川星夜

第1話

フンフ~ン


 久しぶりの実家帰省だなぁ。


「ただいまぁ~」


 あり?

 返事が返ってこないなぁ。


 今日は居ないのかなぁ?

 

 まぁ、いいや。


 リビングに向かっていると、


 何やら、父と姉が争っているようだ。



「だから、言っているだろっ‼

 彼らから手を引きなさい‼」


「嫌だっ‼

 あの人たちはイカレテいてもとても優しい人なんだから」


 う~ん、姉さん。


 それ、特大ブーメランだよ。


 うんうん、今日義兄さんがいなくてよかったね。


「帰ってきたよ~

 皆のアイドル、優斗君だよ~」


優斗ゆうと


「久しぶりに帰ってきたら、修羅場とかウケんね」


「ウケないから」


「ナイスツッコミ、姉さん」


「何で帰って来たんだ?

 馬鹿息子」


「否~、命令されたから来たんだよ~

 下っ端も楽じゃないよ。

 トホホ」


「効果音を自分で言うのは辞めなさい」


「へーい」


「まぁいい。

 お前に命令するような奴なんかいるか?」


「義兄さんの命令なんだよ~」


「兄さん?」


「兄さんなんか居ないよね?

 誰の事?」


「う~ん。

 もうすぐで来ると思うよ」


「え?」


「もう、この際二人まとめて説教だ。

 まず、馬鹿息子今までどこ行ってた?」


「んとーね、ふらふらしてた」


「馬鹿もんがっ‼

 だが今はゆいのことだ。

 何で彼らと関わる」


「彼らが、私の大事な人だからに決まってるでしょう‼」


 うんうん、逃げたいなぁ。


 義兄さんが突入してくるんだよ?


 命が危なくない?


「姉さ~ん。

 可愛い弟の頼みを聞いてよ~」


「何よ?」


「優斗」


 おっと、聞き覚えがありすぎる低い声が


「カズキさん・・・・」


 おっと、身の危険を感じたよ~


 父よこちらを見るな。


 俺が死んじゃうよ。


「よし、東京湾に沈んでこよう。

 うん、名案だ」


「駄目だからねっ?!」


 え~?

 

 名案だと思ったけどな~


「結たち」


「何だ?」


 姉さんが義兄さんの腕の中で寝てるんだけど、


 ちょっと、見たくない光景だったな。


 というよりもさっきよりも修羅場じゃじゃない?


 え?


 大丈夫?


 姉さん。


 この人、マリアナ海溝より深く愛して墜として執着する人だよ?


 大丈夫かな?


 ま、捕まったら最後だし仕方ないか。


「ユウちゃ~ん♪」


「あり~?

 優斗君逃げ切ったよね~?」


「残ネーン

 逃げきれなかったね」


「あらあら」


 このカオスな状況をどうしましょ、


 う~ん

 

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