第3話 幸せな人生
約束通り、美和は私のために合コンを開いてくれた。
職場の先輩とその大学の同級生、計4人。こちらの女性陣も4人。
「人選は先輩に任せたけどきちんとした人たちしか声かけてないはずだから、いっぱい話をしてフィーリング合う人を見つけるのよ!」
美和に言われて気合を入れる。
みんなと話も弾んで楽しい時間を過ごし、そろそろお開きにしようか、という時間になった。
実はもう少しお話したいと思う人が一人いて、連絡先を聞こうかどうしようか悩んでいた。
派手な見た目ではなくどちらかというと物静かな人だったけれど、私の話もニコニコ聞いてくれた。
私も気負うことなく話せた人だ。
すると、帰り際に向こうから声をかけてくれて、次の約束を取り付けることができたのだ。
あの合コンから2年が経ち、話があると美和を呼び出した。
「最近調子はどう?」
美和に聞かれる。今日は、お酒抜きの昼間のカフェに2人でいる。
「実は、結婚することになったの。」
「ホント!よかったね!こんなに長く付き合って何も問題なかったんだから今度こそ幸せになれるよ!」
私もそう願いながら紅茶を飲む。
今まで美和にはいろんな話をして相談してたから、やっと幸せな報告をすることができて嬉しい。
ふっとカフェの外に視線を向けると、白っぽい影が目の端に映る。
「あっ!えっ!?」
私が慌てていると、白い影が外から手を振ってこちらに向かってくる。あの時の女性だった。
窓の外から私に向かって微笑で、ドアからカフェに入ってきた。
「おめでとうございます!幸せな人生のスタートですね。」
私たちのテーブルの横に立って彼女が言った。
「ありがとうございます。」
お礼をいいつつ、恩返しの件を一言言わないと気がすまなかった私は今までの男運のなさを彼女にまくし立てた。
「あら?小骨は感じませんでした?あまり素行や性格がよろしくない男性が近づいてくると小骨が喉を刺して警戒するよう合図したかと思うのですが。」
そう言われて過去を振り返る。
確かに、告白やお付き合いの返事をするとき喉に違和感を感じて声が出にくくなって病院へ行っていたような・・・。そして、婚約者となった彼のときはそんなことはなかったわね〜。
「あれなの!?あんな地味なのが恩返し!???もっと他になかったの!?」
お洒落なカフェの店内に、私の大きな声が響く。
「でも、当たりを引いたことは分かるでしょう?私も恩返しができて嬉しいです、ふふふっ。」
彼女はそう言って微笑んで、お店を出ていった。
魚の恩返し みとか @mitoka888
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