この物語は、一つの「ボタン」を手にした者たちが、絶望の中でどんな決断を下していくのかを描いた、緊張感あふれるサスペンスです。
ボタンを押すと1万円が手に入るか、見知らぬ誰かが死ぬ。そんな極限のルールを前に、登場人物たちは次第に自らの倫理観を見つめ直し、やがて抗えない欲望や恐怖に飲み込まれていきます。特に主人公・浅田の変化は衝撃的です。
物語はただの心理ゲームにとどまらず、ボタンの正体や、それを巡る陰謀が少しずつ明かされていく展開も魅力的。複雑に絡み合う登場人物の思惑、緊張感あふれる駆け引きが読者を引きつけます。
読むたびに「もし自分がこのボタンを手にしたら?」と問いかけられる、倫理観を試されるような作品。おすすめです。