ラズベリー

フランス語でいうとフランボワーズ、濃いピンク色で小さなベリー系果実。なんだか可愛らしく、甘酸っぱい果実で、とっても大好きなのだけれど。

実物を見ると産毛みたいなのがぽやぽや生えていて、粒も小さくて、空いている穴にはぶつぶつと房?みたいなのが入っていて、あまり可愛くなくて、むしろ苦手な人もいるのではないかなという風貌。


お花にもおんなじことが言えると思っていて、お花だから可愛いという訳でもない。例えば、ひまわりなんかを思い浮かんでいただければ、太陽に向かって咲く姿はなんとも陽気だけれど、太陽のない時のひまわりなんかは結構不気味に見えるものである。ちょっと時期を過ぎたひまわりの一輪を見ていると、首もうなだれ、種の部分も黒くなっていて中々美しいとはとらえにくい。でもお花ってそういうものだと思う。可愛いという思い込みで向き合うと、絵にかいた花の華やかさしか目に映らないが、お花の恐ろしい部分と向き合ってようやく、真に美しいと感じられる部分に向き合えるのだと思う。

薔薇やラナンキュラスの見てはいてない部分を見てしまったと思う時こそ、真の美しさを感じられたと思うわけです。


ところで、私の(意に介さない)特技は、お花を水につけたままドライフラワーと化してしまうことです。水を変えないままお花を愛でていると、朽ちるわけでもなく色褪せていって、綺麗なドライフラワーのようになる。でも人からもらった花束なんかはそのまま茶色くなってしまうから、なんでかなとも思う。


全然ラズベリーとは関係ないところに来てしまった。でもラズベリーって、響きが可愛くて、でも苺くらい媚びるところがなくって好きだなと思うのだよね。そんなラズベリーを今表現するならば……まだ若くも教養を備えたぴちぴちの王女様。まるでピュリニー モンラッシェのような気品を備えている。

ラズベリーはリキュールとしても、ジュース、ジャムになっても美味しい。曲になっても素晴らしいから、ラズベリーで一小説書ければ楽しいのだけれど。私の力量次第ですね。

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エッセイ レン @satyyy623

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