@curisutofa

『トンテン・カンテン』『ガタンッ・ゴトンッ』


『瓦礫の撤去作業も、この区画で最後となりますね。親方マイスター


『へい。騎士リッター様。この区画の瓦礫の撤去作業が終わりやしたら、伯爵グラーフ閣下の御下命通りに、散策公園ルストガルテンを整備する工事を開始しやす』


瓦礫の撤去作業を監督されている親方マイスターと共に、作業現場の視察を行っています。


『ドサッ』『うわっ。またかよ…』『片付けるのが面倒だな』


瓦礫の撤去作業を行う為に雇っている若い労働者達が、面倒そうに感じる声で話していましたので。


『また遺骨が見付かりましたか?』


伯爵グラーフ閣下に家臣の騎士リッターとして御仕えさせて頂いております私に声を掛けられました、平民身分の若い労働者達は。封建制度の社会で生まれ育ったと一目で解ります、上位者に対する恭しい態度にて揃って深々と御辞儀をされまして。


『へい。騎士リッター様。焼け落ちた家の残骸から、骨が見付かりやした』


人間の遺骨を見付けても、瓦礫の撤去作業の際に発見する事に慣れてしまい、余計な仕事が増えたとしか感じていない若い労働者に向けて。


『手間を掛けますけれど、集団墓地に埋葬して下さい。伯爵グラーフ閣下による御下命ですので』


『へい。騎士リッター様』


伯爵グラーフ閣下が傭兵ゼルドナーとして雇われました、当時は平民身分でした魔法使マーギアーい殿が焼き払われて一度は灰燼かいじんした街ですが。亡くなられた死者に対する敬意を払いながら、再建は順調に進んでいます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

@curisutofa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ