第21話

るなももCDをでている種類分を一枚ずつ買った。周囲からはあの子アイドルじゃね?という声が聞こえてくる。まぁアイドルくらいの美少女だから、そいうのは分からんでもないが。るなもはいつも通りなのかさして気にしてない。


「それじゃ次はメイド喫茶だねー。楽しみだなぁー」


「それでどこのメイド喫茶に入るんだ?秋葉だとメイド喫茶いっぱいあるだろ」


有名なところだと、メイドリンリンとかか。秋葉はオタクが集まる聖地だから、そいう可愛い子が接客する店は大繁盛するのだ。オタクは美少女好きが多いからな。


「それは外にでている子で選ぼうと思ってるよ」


可愛い子がいるところにするという意味か。るなももアイドル好きだから、美少女が好きなんだろう。レズじゃないだけよかったが。俺達は店をでると、秋葉の町を歩き出す。メイドさんはどの人も整っている。中にはアイドルをしてる人もいるだろう。それだけ美少女が多いのだ。メイドさんになるのにも倍率は高そうだな。だがその中で、さらに競争があるんだから、メイドさんになっても喜びのつかの間状態だろう。


俺達は外にでて、メイドさんを吟味している。メイドさんはるなもを見て、自信を失くしているように見える。まぁるなもは坂道アイドルに入れるほどのルックスだからな。そうなってもおかしくない。


だが一人だけ、るなもを見ても自信を失わないで積極的に話しかけてくるメイドさんがいた。美人で人当たりが良さそうだ。


「あ、そこのお兄さん、うちのメイド喫茶どう?安くするよー」


いや言い方がキャバ嬢のそれなんだが。まぁ安くなるのはいいんだがな。お酒は飲まされないよね?


るなもを見てそこのお嬢さんも楽しめるよーと言っていた。るなもはへぇーそうなんだーと言って、その美人と会話をし始めた。そしてなにかを感じたのか、るなもはここにしよーと言ってきた。まぁ俺はこの美人がいい人だなと感じたから、入るのは賛成だ。


そして案内されるまんまに店に入った。中は可愛い装飾がされていて、いかにもメイド喫茶って感じがした。コンセプトカフェというものも秋葉とかにはあるらしいが、それぞれの世界観があるんだろうな。


俺達は少し目立たない場所に案内された。まぁるなもが目立ちすぎるから、変なのが近づかないようにする対策だろう。こっちからしたら、有難い限りだ。


「それじゃメニューはどれにするー?」


「このラブラブオムライスというのにするわ」


「私はお姉さんカレーライスにするよ」


るなもはお姉さんがほしかったのか。だから俺が姉さんの話をすると、少し羨ましく見てきたのか。まぁなんにせよるなもが希望するものが叶いそうなら、よかったわ。


「それじゃその二つ持ってくるねー。私の手作りだから、期待してもいいからね」


こいうのってレンジで簡単に作るやつじゃないの?チェーン店とそんな感じだし。まぁでも本人が手作りって言っているなら、多少の期待はしておくか。そう思っていると、メイドさんは厨房に向かった。るなもは内装をぐるっと見る。


「いかにもメイド喫茶って感じだね。王道でそれが可愛いんだけど」


「こいうのは王道が一番だからな。変に凝ったりすると、世界観が壊れかねない。まぁファンタジー系のごく振りしたコンセプトカフェなら、何をやってもいいんだろうが」


コンカフェはむしろそっちの傾向が強い。まぁ学園系も多いが。今の俺には理解できないが、高校を卒業したら、制服のコンカフェに憧れるのだろう。結局終わってみなきゃ大切さは分からないってことだ。今もるなももっとでかけておけばよかったと後悔してるしな。


「そうだねー。ファンタジーなら何やっても許される感はあるよね」


経営してる側がやりたいことと、お客さんが求めるものが合致したとき、繁盛するんだろうな。まぁコンカフェは無数にあるから、そこから有名な店になるのは難しいだろうが。


そして周りを見ると、メイドさんが何かおまじないみたいのを唱えている。そしてお客さんはそれにメロメロである。本当にメイド喫茶ってああいうことするんだな。


「あれやるほう慣れなのか、それとも好きでやっているから、恥ずかしくないのかな」


「どっちもいそうだな。メイド喫茶に入る時点でその事は覚悟してるから、好きでやっている方が多いと思うが。ここで固定ファンを作って、アイドルになるやつもいそうだ」


メイド喫茶は美少女が多い。まぁだがるなもの方が可愛いから、るなもが真ん中の席に座らせたら、るなもは目立つだろう。そしたらメイドさんに夢中になっているお客さんもるなもをみてしまうから、今の席がちょうどいい。メイドさんが目をつけられるのは得策じゃないからな。


「そうだね、アイドルになるにはここほど固定ファンを作れるところはないかもね。しかもたくさんアイドル活動したら、来てくれそうだし」


アイドルになったら、メイドさん時代はほぼ話せないが、アイドルになったら、チェキで多く話せるから、少しでも多く通うと思うだろう。そんなこと考えていると、メイドさんが注文した料理を持ってきてやってきた。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

振られてから、後輩美少女を助けたらなぜか懐かれた 長濱こうき(元作家を目指す浪人生) @Ronisei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ