巨大迷宮と化したショピングモールで、女子高生・色葉は真実を目撃する!

健野屋文乃(たけのやふみの)

骨太な種族は、仕組みの基幹となる存在

「ん?」

吾輩は何かの異変を感じた。

それは、まるで一瞬で、世界が切り替わってしまったかの様な異変だ。


この世界を管理している、あの神の仕業か?


「もりやなぎさくん?」

吾輩の名を呼ぶ存在が現れたらしい。

「そうだ。吾輩は森屋汀もりやなぎさだが、何かようかね?」


吾輩はその存在を確認した。

セーラー服を着た『女子高生』と呼ばれる存在だと認識した。


吾輩の目の前にあるその女子高生の足は、かなり骨太な足だった。

骨太な種族は、仕組みの基幹となる存在なのは、どこの世界でも同じだ。


森屋汀もりやなぎさくんは、迷子になったのかな?」

骨太女子高生は、吾輩に聞いてきた。


「迷子?吾輩が迷子?笑わせる骨太女子高生だ」

「女の子に骨太って失礼だよ」

「それは失礼」

「なんか大人びた口調だね」

「当たり前だ、吾輩が所属している組織では、いつだって年長者扱いだからな」

「幼稚園か保育園の年長組なんだね」

「そう言う事だ。解って貰えて嬉しく思う」

「そ♪それじゃーショッピングモールの案内所に行こうか?」

「案内所?」

「うん、一緒に行ってあげるよ」

「まだ吾輩が迷子になったと思っておるのか?」

「う~ん、現状を見ればそうだね」

「はあ、迷子なったのは吾輩ではなく、貴女なのに」

「ん?」

「周りを見回して観給え」

「別にこれといってなにも・・・」

「それじゃあ、教えてやろう」


「ねえ、とりあえずカートに乗る?」

骨太女子高生は、赤いカートを指差した。

「吾輩があのカートに?貴女は何も解ってない」

「青が良いの?」

「うん」

森屋汀もりやなぎさくんは、可愛いね」

そう言うと骨太女子高生は、吾輩の頭を撫でた。

吾輩が可愛いのは仕方のない事なので、その行為を止める事はしない。


吾輩は、もちろんルンルン気分で、青のカートに乗り込んだ。

「して、骨太女子高生の名はなんと申す?」

色葉いろは

「古びた名前だな」

「古びてないわ!逆に新しいんじゃ!さあ前進するよ!」


吾輩と色葉いろはは、巨大迷宮なショピングモールを進んだ。


「このショッピングモールのこの違和感。吾輩の勘は間違いない」

「さっきからなぎさくんの喋り方の方が、幼児として違和感いっぱいだよ」


色葉はカートを押して、延々と歩き続けた。

慣れたショッピングモールのはずなのに、


「わたし迷った?」

「だから言ったじゃろ」

「なんだろう?感覚が変になってる?」


色葉は迷ってる途中の食料品売り場で、お金を持ってない幼児に、クリームパンとオレンジジュースを買ってあげた。

幼児が「100パーセントじゃないとヤダ!」と言うもんだから、高っかい100パーセントのオレンジジュースだ。

「親に請求してやる!」


案内所に着くと、色葉いろはは告げた。

「あの~この子、迷子見たいです」

すると受付嬢は、

「わざわざありがとうございます。骨太女子高生の色葉いろはさん」

「えっなんでわたしの名前&骨太を?」

「わたしがモブだからですよ」


色葉いろはが、吾輩に視線を送ったので、

「吾輩はモブ使い」

「モブ使い?」

「そう、そしてこの世界の大多数の人の魂はすでになく、モブ化した」

「モブ化した!?」

「とある神のシナリオによって、そして骨太族である貴女は、この世界の基幹となるべき存在」

「基幹となるべき存在?」

「この世界の女王として」



            完

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巨大迷宮と化したショピングモールで、女子高生・色葉は真実を目撃する! 健野屋文乃(たけのやふみの) @ituki-siso

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