第2話 うひょー美人エルフの生足最高! え、俺を置いて旅に出ちゃうんですか?
<転生したドM>
うひょー、美人エルフの生足最高だぜ!
俺の名はドーマ。転生者だ。元はただの学生だったが、今は師の元で剣の修行に明け暮れている。
転生直後は意識が曖昧で、周囲の事がよくわかっていなかった。それがようやくはっきりし、しっかりと前世の記憶を思い出した時には森の中で師であるエルフと共に過ごしていた。
どうも俺は、転生先の両親に捨てられたようだ。それを美人エルフが拾って育ててくれたらしい。運が良かった。
もっとも、ただ普通に育てられているわけじゃない。この美人エルフ、俺に剣の技を継がせようとしているようだ。――師はただの暇つぶしだと言っていたが。
物心つく前から、ひたすら剣を振らされていた。剣というか、より正確に言えば刀だ。この世界にも刀があるらしい。
エルフの武器の定番と言えば弓だと思ったんだが、どうやら違うようだ。あるいは刀を使うエルフは師匠だけか?
とにかくこの刀の修行が実に厳しい。少しでも振り方を間違えると、師匠の蹴りが飛んでくる。しかも、その間違いが俺にはよくわからない。頼むから理屈で説明してくれ。おかげで俺は毎日全身あざだらけだ。
最初のうちは、本当に修行をやめたいと思っていた。いつも全身痛いし、体力も限界だったから。幼い人間にやらせるような修行じゃなかった。なんでこんなことしなきゃいけないんだと、ずっと思っていたよ。
だがある日俺は気が付いた。師匠の足エロくね? と。
それに気が付いた瞬間、俺は何かに目覚めた。修行が全く苦ではなくなった。思えば前世では女性と接触する機会が全く無かった。それが今は、なんとあの美しい足で触れていただけている。こんなに嬉しい事はない。俺はだんだん、蹴られる事に快感を覚えるようになっていった。師匠の足って、めっちゃすべすべなんだぜ? 最高だろ?
そして、師匠が与えてくる様々な痛みが俺の中で快楽へと置き換わっていった。
俺は師匠がいつ、どこを蹴ってくるか少しずつわかるようになっていった。そして蹴られる瞬間、当たる部位に神経を集中して師匠の生足を全力で堪能する。修行ってこんなに楽しかったのか。
そうしていたら不思議な事に、剣術修行も上手くいくようになった。何故か師匠の動きが理解できるようになっていた。
剣術修行自体はうまくいっているのに、師匠はどこか気味が悪いものでも見るような目で俺を見る。あるいは、さげすむような目で。
――そんな目で見られると、俺はますます興奮しちまうぜ! ぞくぞくする。最高かよ。
次第に師匠は、俺を蹴ることが少なくなっていった。どうも、蹴りがあまり罰にならないと気が付いたらしい。残念だ。
まあ、もう蹴られてもあまり痛みを感じなくなっていたが……。
修行は次のステップに進んだ。師匠は蹴りの代わりに刀で俺に切りかかってくるようになった。素振りから、斬り合いの修行になったのだ。さらに、師匠はたまに食事に毒を混ぜてくることもある。搦め手でやられるようでは修行が足りないということだろう。
世間的にはまさに地獄の修行だろう。しかし師匠にエロさを見出した俺はもはや無敵だ。むしろ快感だ。俺が修行を乗り越える度に、ドン引きした目で見てくださるからな。
それに、俺の体はいつのまにかかなり丈夫になっていたみたいだ。ちょっとやそっとの事じゃ傷つかない。異世界印の不思議ボディだ。前世じゃ考えられない耐久力を手に入れていた。修行の成果だろうか?
そしてさらに修行が進むと、師匠は近くの火山からあふれる溶岩まで修行に使うようになった。最初はさすがにビビったが、今ではちょっと熱いなーと感じる程度だ。まあよく考えればこれもロウソクプレイの亜種みたいなものだ。痛気持ちいい。
そんな最高な日々を過ごしていたんだが、ある日いきなり師匠は旅に出てしまった。置手紙一つ残して。
教える事はもうないから、あとは好きにしろ、と。
まだまだ師匠の修行を受けたかったんだが……俺はこれから、一体誰に虐め……じゃなくて、修行をつけてもらえばいいんだ?
しかし、これも良い機会と思うべきか。最近の師匠の修行が少し物足りなくなってきていたのは確かだ。俺はもう鍛えすぎて、多少の事では痛みを感じなくなっていたし。どうやら世の中には師匠よりももっと強い人がいるようなので、その方から痛め……じゃなかった、修行させてもらおう。
さぁて、美人で強い女の子はどこにいるのかなっと。どこかに美人師範がやってるような道場があるといいんだが。できればスパルタだとさらに良い。
ずっと山に籠っていたから、この世界のことを俺はよく知らないんだよな。世間を知る為にも、とりあえず山の麓の街まで下りて、美人で強い女子でも探してみようか。
で、街に下りてみたんだが強そうな女の子が全然いない。わざと治安の悪そうな裏路地にも入ってみたんだが、襲ってくるのは雑魚ばかり。絡まれてる女の子をちょっと助けたりしながら裏路地を回っていたら、だーれも絡んでこなくなってしまった。
その後ギルドってところに強い奴らが集まっているという話を聞いて行ってみたんだが、そこにも雑魚しかいない。体だけはでっかい雑魚が絡んできたが、簡単に返り討ちにできたし。
本当に師匠より強い人なんているのか? 師匠は修行を続けるなら自分よりも強い奴を探せと手紙に書いていたが……。
ただ、ギルドで良い話を聞いた。都市には勇者と呼ばれる強者がいると。しかも勇者は、なんと女性だ。勇者って呼ばれていて雑魚ってことはないだろう。ようやくお目当ての人物に出会えそうだぜ。いい感じに俺をいたぶってくれると嬉しいんだが。
そんなわけで俺は期待を胸に、都市まで向かうことにした。
勇者はすぐに見つかった。彼女は有名人らしい。とてつもない強さを持ちながらも、品行方正であると。
うーん、勇者は真面目なタイプか―。強さを鼻にかけているような傲慢なタイプだと良かったんだけど。真面目な勇者が俺の事虐げてくれるかなー? 頼み方次第でなんとかなるか? まあ、まずは会ってみてからか。
勇者って結構地位があるみたいだから、会うためにはアポイントメントが必要っぽい。けど山暮らしの俺にそんなものがあるわけもなく。
家はわかっているんだから、強行突破しようかな……そう思い家に押しかけたんだけど、あっさり勇者に会うことができた。なんか、最初に俺を出迎えたメイドさんがすぐに合わせてくれた。ちょっと顔が赤かったが、風邪だろうか?
勇者は俺好みの、実にいい感じの美女だった。綺麗系の美女だ。言葉責めとか、結構似合いそう。僕っ娘なのも悪くない。これはもしかして大当たりか? あとは勇者が強くてドSだったら完璧だが。
俺は勇者の強さを確認すべく、さっそく手合わせを願った。そうしたらすぐに手合わせしてくれたぜ。
で、そこまでは順調だったんだが……なんというかその、勇者の実力が微妙だった。けして弱くはなかったんだが、そこまで強くもないというか。結局俺が圧勝してしまい、勇者は地面に倒れ込んでしまった。
惜しい……実に惜しい人材だ。俺よりちょっと強くて、少しSっ気があればよかったのに……。
はあ、また別の強者を探すか……そう思った時、勇者が声を上げた。
「待て! 僕に、僕に剣を教えてくれないか!?」
「俺が、か?」
俺が誰かに剣を教える、か。どちらかと言うと、俺が教わりたい側なんだが……それもスパルタで。
いや、でもまてよ? 稽古と称して、アレコレさせることもできる、か? 例えばほら、俺を全力で踏みつけてみろ、とか。体重移動を教える為とかなんとか適当な事言って、やらせることができたりしない? そこまでは無理でも、稽古と言えば全力で蹴ってくれそうだ。
俺を痛めつけるには今はちょっと実力が足りないが、そこは俺がいい感じに強化してやればなんとかなりそうな気も……あとはいい感じにドSな性格に矯正できれば……。
「――俺の修行は辛いぞ。黙って従うと約束できるか?」
「ああ! 僕は強くなるためならなんだってやる!」
「いいだろう。俺も師のいない辛さはわかる。実は俺も、俺の師となってくれる人物を探していたが見つからなくてな。俺の師が見つかるまでなら教えてやろう」
くくく、俺の新な師(ドS)に仕立て上げて見せるぜ。まかせろ。
ドM転生者、美人エルフの地獄の修行をご褒美と感じて最強に セラ @sera777
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