ラストで怒涛の伏線回収。これは、見事にやられました!

 そう来るかあーーーーー! と、読み終えた後はしばらく興奮が冷めやりませんでした。

 主人公は「ある政治家」であり、総理大臣となった後に、目の前に「雅」という名前の少女が現れる。
 雅は「クーデター」を先導しており、総理である自分のことを狙ってくる。

 時は遡る。まだ学生だった彼のもとに、雅が現れる。雅は廓言葉を口にする「遊女」になる運命を持った少女で、「別の時代」からタイムスリップしてきたことがわかる。

 当初は、いわゆる「同居コメディ」のようなものとして読んできました。でもそれだけで終わるものではなく、「別の時代」で生きる少女の辛い境遇や、現代にも数多くある貧困問題などにスポットが当たって行くようになっています。

 そして、ラストで驚愕の展開が。

 なるほどなるほど、そう来たか、と。
 とにかく、「やられた」としか言えません。なまじっか知識があればあるほど、その辺りのインパクトは強くなるかも。

 是非とも一読すべき作品です。この感動は紛れもない読書の悦び。恋愛ものとして読んでもいいし、現代風刺と読んでもよし、SFとして読んでも良し。

 どんな前提で読んだとしても、必ずや大きな衝撃が訪れることでしょう。

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