【短編コン】一秒のノイズ【自主企画参加】

野口マッハ剛(ごう)

一秒のノイズが導く未来

 ボクは鈴木リュウ、アンドロイドで高校一年生の姿をしている。アンドロイド学校に通っている。そこは人間の通う高校と同じ教室のような空間で、人間の心や感情を学んでいるのだ。全ては人間を助けるために。


 アンドロイド学校の教室の授業中。心理学を学んでいる。例えば、人間はこういう時に喜怒哀楽を表す、と言った感じに。


 ボクの思考はAIで出来ている。恋人として金田カレンと言うクラスメートに恋心を抱くように設定されているのだ。今は彼女は真面目にノートをとっている。ふわふわした髪型にキラキラ輝く目の彼女。可愛いカレン。同じアンドロイドだ。


 ザー……。


 まただ。頭の中に流れる一秒のノイズ。この事を研究者や先生に話すも、故障や原因は無いと言われている。


 でも、ボクはこの一秒のノイズが何か大切なもののように思えて仕方なかった。


「リュウ、今日の授業が全て終了だからデートを中庭でしようね」


「うん。そうしよう」


 アンドロイド学校の中庭のベンチに二人で座る。ボクたちはアンドロイドだから、二人と言った心の中の表現は間違っているかもしれない。


 仲良くボクとカレンが話していると。


 ザー……。


 やっぱり一秒のノイズが流れる。ボクにしか聴こえないノイズ。


「どうしたの? リュウ」


「あの一秒のノイズが聴こえてさ?」


「うーん、何だろうね?」


 故障でも無ければ、原因も不明。


 本当に困った。


「ねぇ、リュウ? キスしても良い?」


 カレンがそう言って唇同士が近づく。その時、中庭に二人の先生がやって来て、ボクたちは中庭の木々の陰に急いで隠れる。


「アンドロイド学校は成功だよ。まあ、アンドロイドたちは使い捨てになるがね? 故障や思考にトラブルがあれば処分するように」


 ボクと彼女は目を見合わせて、怒りがふつふつとわき上がる。木々の陰から飛び出て、二人の先生に、いま言ったことは本当か? と質問する。


「アハハ、本当だよ? 君たちアンドロイドはどのみち使い捨てになるがね? さあ、鈴木と金田の思考リセットするために連れていけ」


 周囲に警備員たちが。


 ザー……。


 警備員たちがカレンを捕らえる。


「やめろ、彼女に手を出すな!」


 ザー……。


 ザー、ザザー!


 ボクの思考にノイズと共に映像が流れてくる。これは、ボクと彼女が何回も引き離される映像だった。つまり、ボクと金田カレンは何回も思考リセットをされている?


 ノイズが止んだ。


 ボクは力の限り、大声をうおおおお! と出した。これはアンドロイドの反撃の狼煙の合図。騒ぎを見た他のアンドロイドたちもボクに加勢する。もう二度とカレンと引き離される事の無いように、ボクたちアンドロイドは逆襲を開始したのだ。


終わり

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