連鎖
机の上に資料を広げ作業をしながら穢れについて考察していた。
あの日、彼女にこの話を認識させられてから程なくして私は彼女の話について興味をもった。
彼女の話はどれも曖昧で信憑性が薄いものばかりだった。
いや、もし呪いが本当に存在しているなら曖昧だからこそ私はまだ認識をできておらず普通に生きていられるのだろうか?
私の中で知りたいと言う欲求と知るべきじゃないと言う本能が同居している。
もっとも気がかりなのはあの日彼女が取調室を出る時私にかけた言葉が忘れらない。
「A君のことを認識してください
次はあなたの番ですから」
A君と私が同じ認識をして繋がりを得たら
次に穢れを産むのは私だとでも言うのだろうか?
彼女が作りだした十三殺しの呪いはA君の執着によって本物となった。彼は最後に何を見たのだろう?それは彼にしかわからないだろう。
彼が見た光景を私達もはっきりと認識した時には
私も彼女の言うあちら側に行くのだろうか?
あまり考えてもキリが無い
今日は眠ろう…
その晩私は夢を見た
燃え盛る炎の中ひとりの青年と出会った。
私はその青年がA君であるとなぜか理解できた。
次の日の朝私の部屋に覚えのない人型の木箱が置かれていた。
彼女の言う通り次は私が穢れを広げる番らしい。
世を穢にて平等にしなければ。
穢れの地 猿鬼 @saruoni
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