咲（さ）き誇（ほこ）れ、ローズ戦隊！

咲（さ）き誇（ほこ）れ、ローズ戦隊！

　私たちはローズ戦隊（せんたい）、正義（せいぎ）のバラを世（よ）に咲（さ）かせる五（ご）人（にん）組（ぐみ）だ。私たちは決着（けっちゃく）をつけるべく、本（ほん）部（ぶ）で熱（あつ）く議論（ぎろん）を交（か）わしていた。

「だから戦隊（せんたい）の中（なか）で、セクシー担当（たんとう）はあたしだってば！　コスチュームの色（いろ）がピンク！　この色（いろ）こそ、セクシーの象徴（しょうちょう）でしょ」

「いいえ、私のコスチュームカラーである白（しろ）！　これこそが真（しん）のセクシーよ。純白（じゅんぱく）こそが、スカートの中（なか）の下着（したぎ）でも結局（けっきょく）は萌（も）える色（いろ）なんだから」

「黒（くろ）よ、黒（くろ）！　我（わ）がカラーのブラックこそが大人（おとな）の色香（いろか）だわ」

「赤（あか）に決（き）まってるでしょう、セクシーなのはレッドクイーンたる私よ」

　やや議論（ぎろん）が白熱（はくねつ）しすぎている。私が四人（よにん）を落（お）ち着（つ）かせるべきか。

「まぁまぁ。そんなに熱（あつ）くならずに」

「うるっさいわよ、イエロー！」、「戦隊（せんたい）ドラマの黄色（きいろ）キャラって、食（く）いしん坊（ぼう）なイメージよね」、「バナナでも食（た）べれば」、「引（ひ）っ込（こ）んでなさい」

　手近（てぢか）な隊員（たいいん）に私が飛（と）び蹴（げ）りを見舞（みま）う。バトルロイヤルが始（はじ）まって、どのバラ色（いろ）が真（しん）のセクシーかは今日（きょう）も結論（けつろん）が出（で）ない。