読み終えた後に、心が温かくなりました。
仕事で失敗し、落ち込んでいた主人公の華ちゃん。彼女は美味しそうな焼き立てパンの匂いに釣られ、一軒のパン屋さんに入ります。
そこで焼き立てのメロンパンを手にすることになり、心が救われることに。
メロンパン。サクサクのクッキー生地に、ふわふわしたパンの食感。決して甘すぎず、ふんわりと広がる優しい味。
それが焼き立てとなれば、更に美味しさが増すのは言うまでもありません。
コンビニとかどこのお店でも売っているものなのですが、メロンパンにはどこか「特別感」があるような気がします。
華ちゃんもメロンパンには「特別な想い」があり、それでいっそう救われることに。
懐かしの味というのは、それを口にした瞬間に心を「とある時間」へと運んでくれる。自分が人から愛され、大事にされていた頃の記憶。
メロンパンの美味しそうな感じで「いいなあ」と思わされ、子供時代のあたたかな思い出が紐解かれる感じに「いいなあ」と思わされ、読むほどに心が満たされます。
「優しさ」に満ちた、とっても素敵な作品でした。