「じゅうななさい」乙女裁判を開廷致します。【カクヨムコン10短編】

音無 雪

ギルティで御座います。

「お雪せんぱいっ お花を頂いちゃいました」


満面の笑みで話しかけてくるのはチームの後輩である舞奈さん

あら 良かったですね。誰からもらったのですか


「幼馴染みからもらったんですよ。薔薇の花束」


薔薇の花束とは豪華で御座いますね。ところでその幼馴染みさんは殿方でしょうか


「そうですよ。女の子が薔薇の花束なんて贈りませんよ」



・・・連行しなさい


「「「イエス マム」」」



―――― § ―――― §――――


ここはチームの拠点に併設されているカフェ

通称アリスカフェと申します。


通常は休憩や食事をする場所として使われている多目的スペースではありますが、現在乙女裁判の法廷として機能しております。


被告人舞奈さん


小柄で大人しくいかにも文学少女と言った雰囲気を醸し出している女性で御座います。

今まで浮いた話など聞いておりませんでしたが突然何を宣うのでしょうか


周りを囲むのはチームの女性陣 と言いましてもチーム全員女性で御座います。

だからこそ今回のお話は聞き捨てならないので御座います。


「お誕生日のお祝いですかぁ」


まずは自称店主のアリスさんから重要な質問です。


「なんでもない日に突然くれたんですよ。僕からの気持ちって」


「ちなみに何本ですか」


「それって重要なの」


「重要です。来年の国家予算よりも重要です」


「たしか七本だったと」


―――― 乙女審議委員会 ――――


「七本の薔薇は『あなたに夢中』でしたね」

「クレイジーフォーユーですか」

「ですね」


―――― 審議終了 ――――


「ギルティです」


「えっなんで」


無自覚ですか 余計に罪深い物がございます。

ちなみに花言葉はご存じですよね。


「薔薇って何でしたっけ」


恋に恋する乙女としては必須の知識ですよ。しかも薔薇です。

『乙女の花言葉はこれで決まり 著:アリスちゃん』第二章の一行目に書いてありますよ。


「でも薔薇の花をもらっただけだよ」


白いタキシードは着ていませんでしたか


「普通の服でしたけど」


さすがにベタなことはしなかったようで御座います。

その後、幼馴染みさんからは何か連絡は


「別にありませんけど」



幼馴染みさんヘタレましたね。

仕方ありません。現時点ではお咎め無しとして釈放しましょう。

しかし乙女としての自覚が御座いません。『乙女の花言葉はこれで決まり 著:アリスちゃん』を熟読して感想文を提出してください。


本日閉廷


―――― § ―――― §――――


このシチュエーションで盛り上がらない乙女がチーム内にいたのは驚きで御座いました。

わたくしであれば右手を突き上げて「ひゃっほい」致しますわよ。


「舞奈先輩 もう人生バラ色ですよね」


「バラ色の人生って真っ赤じゃ無いですか」


「意外とエグいわね」


「ピンクの薔薇かもしれないわよ」


「ピンク色に染まった人生ってえっち過ぎます」


薔薇は色によって花言葉が変わりますよね。


「幼馴染みさんって紫の薔薇の人なのでしょうか」


アリスさん あなた何歳ですか

じゅうななさいの乙女には分かりませんわ


「色と本数で花言葉が変わるって面倒よね」


「なかなか覚えていられないし、資料によって違うのもあるわよね」


「でも男性から薔薇を贈られた時点で好意は確定でしょ」


「後は邪魔をする幼馴染みフラグを何とかすればひゃっほいね」


それでは乙女としまして舞奈さん後方支援プロジェクトを発動致します。

場所を移して検討致しましょう。


「素面じゃ検討できないわよね」


「ぶどうじゅーすでも呑まなきゃ」


「私 青リンゴじゅーす」


「これ経費で落ちますよね」



話は落ちませんけどね おほほほ



――――


その後、現在まで全く動きの無い舞奈さんと幼馴染みさんでした。



ちっ ヘタレめ

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「じゅうななさい」乙女裁判を開廷致します。【カクヨムコン10短編】 音無 雪 @kumadoor

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