第39話 俺の部屋

 翌日の日曜日。付き合いだしたばかりの俺と真里亜は今日も会おうということになった。そして、真里亜が俺の家に来ると言い出した。


「私の部屋は見られてるけど健人の部屋は見てないし不公平だよ」


 まあ、仕方ないか。俺は午前中を部屋の掃除に当てて、午後から会うことにした。


 いつもの電停で待ち合わせすると真里亜は昨日買った服で来た。


「早速着てきたんだな」


「うん。なんか昨日の健人の視線がいやらしかったし」


「う……」


「そういうのわかるから。あー、よこしまな目で見てるなあって思ったら私も興奮しちゃって大変だったよ」


「そ、そうか」


「今も健人、いやらしい目でスカートの方見てたよね」


「う……」


「足か! 足が好みか!」


「い、言うな」


「えへへ。後で触らせてあげるね」


「マジで?」


「健人が触りたいなら。触りたいの?」


「さ、触りたい……」


「うわー、真面目な健人のそういうセリフ、やばい。興奮する」


「お前、性癖隠さなくなったな」


「いままでは気がつかなかったし。私にこういうところあったんだ、ってちょっとびっくりしてる」


「そ、そうか」


「じゃあ、行こうか。あっちだよね?」


 俺は真里亜を自分の家に案内した。なんとか策を巡らして親を外に追い出しておきたかったが、残念ながら母親は在宅だ。


「お邪魔します」


「健人、友達連れてきたの?」


 そう言って出てきた母親が固まった。


「はじめまして。健人君とおつきあいさせてもらってます、崎本真里亜と言います。よろしくお願いします」


「健人の母です。よ、よろしくお願いします……って、付き合ってる?」


「はい、昨日から」


「そ、そうなのね。うちの健人をよろしくね」


「はい、よろしくお願いします」


「真里亜、いいから俺の部屋に行こう」


「うん!」


 俺はすぐに真里亜を部屋に入れた。


「……嫌な言い方かも知れないけど、親への挨拶、何か慣れてたな」


「あー、剛史の親にも挨拶したしね」


「やっぱりそうだよな」


 俺はやっぱり嫉妬してしまう。


「そんな顔しないでよ。剛史にはこんなことしてないよ」


 そう言って、真里亜は立ったまま俺の顔をつかみキスをしてくる。俺もすぐに夢中になった。


 しばらくするとキスを終え、真里亜は言った。


「それにしてもここが健人の部屋かぁ。想像通り、真面目な部屋だなあ」


「そうか? 普通だろ」


 俺の部屋は机に本棚。それにベッドぐらいだ。


「本棚すごーい、難しそうな本たくさん」


「そんなことないよ」


「まじめーって感じ。エッチな本どこかに隠してないの?」


「無いから」


「そっかあ。でも、こんな風にすごく真面目な健人君が私に夢中になってキスしてくるのが何ともエッチだなあ」


「お前ねえ」


「ここが健人のベッドかぁ」


 そう言ってベッドに横たわる。自分のベッドに女子が横たわっているのは何とも変な感じだ。思わずじっと見てしまった。


「うーん、健人の匂いする」


「俺も昨日思ったけど言わなかったのに」


「え? 私のベッド、私の匂いした?」


「そりゃたくさん」


「そ、そうなんだ。何か恥ずかしい」


「だから言わなかったのに」


「そ、そっか。でも、健人の匂い、いい匂いだよ」


「真里亜もな」


「私、健人の匂い好き。男子の匂いが好きって思ったの初めてかも」


 はっきり言わないが、真里亜の言いたいことは分かった。


「じゃあ、俺たち、相性いいのかもな」


「そうかもね」


 俺はベッドに寝ている真里亜の上に覆い被さった。真里亜が目をつぶる。俺は真里亜の唇に夢中になった。


「ん……はぁ……健人、好き!」


 真里亜が耳元で言う言葉にどんどん興奮が加速していく。気がつけば俺の手は真里亜の胸にかかっていた。


「あ、ごめん……」


「別にいいよ」


「そ、そうか」


「うん」


 気がつけば俺は真里亜の体に夢中になっていた。


「健人……もう、やばい! さすがにそろそろやめよっか」


「そ、そうだな」


 俺は行為を止めた。


「ふ、ふう……健人、ちょっとトイレ借りていい?」


「ああ。いいぞ」


 真里亜にトイレの場所を教えた。真里亜が帰ってくるまでは少し時間がかかった。部屋に帰ってきて言う。


「あー、大変だった。こんなになると思わなかった」


「何が?」


「内緒。健人もすごい感じだったけど大丈夫なの?」


「何が?」


「それ」


 真里亜が俺の股間を指さした。


「お、お前なあ」


 俺は慌てて隠す。


「ふふ、隠さなくても私にすっごく当たってるから分かるよ」


「そ、そうだよな」


「興奮してたねえ」


「い、言うな」


「ニシシ、いいことじゃない」


「そうだけどさ。でも、節度持たないと本当にやばい」


「だよね。しばらくはこれ以上のことは止めとこう」


「そうだな」


 今のでも興奮度がすごすぎてやばいし、仕方ないか。


 真里亜はベッドに腰掛けた。そのとき、俺の視線は足に行ってしまった。


「ん? あー、触らせるって言ったもんね。いいよ」


 そう言って足をぶらぶらさせる。友達のころもよくやってたことだ。だが、今の俺には刺激が強かった。思わず足をつかむ。


「うわー、なんかいやらし」


「嫌か?」


「嫌なら嫌って言うから。好きに触っていいよ」


 俺は真里亜の足を触る。すべすべで気持ちよかった。


「あ、でも今はスカートの中はちょっと見ないで」


「言われなくても見ないから」


「そ、そっか。まあ、それはそのうちね」


「うん……」


「なんでだろ。剛史には全然触らせなかったのに、なんで健人にはこうなっちゃったかなあ」


「不思議だな」


「うん。自分でもやばいと思う」


 真里亜の何かを俺は目覚めさせたようだ。

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