ユーナ:優奈(1)
私、死んじゃったみたい。
それで、転生出来るって。
剣と魔法の世界アテスター。
そっかー。
なんて、ぼーっとしてみる。
うん、そうだよ。
それは大事な事じゃない。
せんせえが言ってくれた。
『これは叔父の受け売りなんだが、一番大事なのは自分が何をやりたいのかって事なんじゃないかな。あー、つまり一番大事なのはなにか、を明確にしておくことだと思う』
私にとって大事なのはそこで生きる事じゃなくて。
そこで何をするのか、でもなくて。
そこで一番大事なのかはなにかを考えることだよね。
そうだよね、せんせえ。
だから考えないと。
私がアテスターでしたい事。
そんなの決まってる。
せんせえと一緒になりたい。
せんせえにいっぱい可愛がってもらいたい。
それで幸せになる。
せんせえと私と一緒に。
次に大事なことは、その為にすることを考える事。
その条件が何かを考える事。
アテスターは私も遊んだ。
せんせえが遊んでるゲームを私もしたい、って言ったらせんせえ困ってたな。
せんせえを困らせちゃった。
でも困ってるせんせえを見てるのもなんだか幸せだった。
悪い子だ。
せんせえは『これは大人がするゲームだ』って言ってたけど、せんせえが帰ってからダウンロードした。
悪い子だ。
せんせえにゲームの画面を見せたら頭を抱えてた。
かわいい。
諦めたせんせえは『ゲームをやってる連中の一般論としてだ』ってどんなキャラクターなら困らないかなんて色々な知識を教えてくれた。
だから、知識なら大丈夫。
大きな問題はせんせえがアテスターに転生するかって事。
その前に、せんせえが死んじゃったのか、生きてるのか。
私の大好きなせんせえはどこ?
どこにいるの?
「成程、それが君の訊きたい事なのだね?」
「はい。せんせえはどこですか? アテスターに転生されるんですか?」
「それに答えるのは難しい…」
「教えてください。私の大好きなせんせえはどこですか?」
「彼には彼の人生が
それは神様にとって難しいことなの?
ここはあの国や世界のルールが通るの?
「成程、君の言うことが道理だ。だが、彼を裏切るようなことはしたくない。ああ、もちろん、彼への君からの好意はある程度は察しているが」
「一般論でもなんでも建前を使ってもらっていいですから教えて欲しいです…」
「ふーむ、困った娘だ。その若さで一般論や建前かね」
「お願いします。人生ポイントを支払いますから」
せんせえの事がわかるなら、その情報量として人生ポイントの全部を払ってもいい。
一番大事なのはせんせえだから。
「彼のことに関して話す事は無い。これは変えられぬ」
ああ、ダメなの?
本当に?
絶対?
一番大事な事なのに?
「ああ、これは独り言にしかならぬが。私は君たちの転生という祝福すべからざる事柄において、君たちの為に保護と支援を
その人はせんせえだ! せんせえ! せんせえだ!
「有難うございます。とても参考になる独り言でした。人生ポイントでお支払いしたいくらいです」
私は小躍りしたいくらいだった。
せんせえと会える!
また会える!
「独り言に支払って貰うものなど無い。アテスターで精々頑張るが良い」
「はい。ありがとうございます」
次に大事なことは何だろう?
せんせえがアテスターに転生することは分かった。
せんせえに会う事。
次に大事なことはこれ。
ああ、聴いておけばよかった。
せんせえが転生しそうな所はどこだろう?
そうだ、確か、
『これも叔父の受け売りだが、釣りをするのに一番大事なことは自分に釣れてくれる魚がいる場所を探すことだ。つまりだな、自分の腕だとか道具だとかで釣れる釣れないの差がある。なら釣れないところで粘るより、釣れてくれる魚を探すほうが良い。これはゲームの狩場でも人生でも同じことだと思う。ああ、やり方を変えられるならそれでもいいかもしれないな』
『それって結構、当たり前の事じゃないですか?』
『そんな当たり前のことに人は案外気が付かないものなんだ。それに、当たり前のことだからこそ、すぐ忘れるんだろう』
だって。
せんせえに会う事。
次に大事なことはこれ。
ああ、聴いておけばよかった。
せんせえが転生しそうな所はどこだろう?
街? 違う。
私がアテスターのゲームのやり方を教えてもらった時も、スタート地点からすぐに街に行ったりはしなかった。
たしか、どこかの宿屋。
近くに山賊の村があって、山に向かう道があって。
そこには大体、二人位しか山賊がいない。
そこで山賊を釣りだして倒して、装備とお金を奪う。
宿からは食べ物とか売れるものを貰って、少しだけ地下の洞窟に入って、落ちてる魔法書を拾って街へ行って売る。
こうだったと思う。
あ、でも、せんせえはどれくらい強いんだろう?
私みたいに普通に転生するのかな?
どうなのかな?
でも神様は確か、支援と保護をお願いしたみたいなことを言ってた。
だったら、私よりも強くて装備とか良いのを持ってるのかな?
それなら他のところ?
ダメだ、わからない。私の知識より、せんせえの知識のほうが多い。
でも、よく考えたらそこにせんせえが居るかもしれない。
もし居なくっても私の為にはなるはず。
装備にお金を使わなくても良くなるし、食べ物も手に入る。
要らない装備を売ればお金も増える。
序盤が楽になる。
ああ、街の名前は何だっけ!
名前名前、街の名前。
そうだ! 確かブランド品!
そんな感じの名前!
確か帝国のなか。
私はマップでそこを探した。
確か森の中の道。
帝国の北を探して、王国の中も探した。
ブランド品みたいな名前の街が無い。
その先の王国も。
違う、こんなに雪が積もってたりしない。
東を探して、小国の中も探した。
似てるのがあったけど違う。
ここは狩人の小屋だ。
南に公国、山脈の近く。
そうだ! 山への道! 森の道!
そこから西へ。
トーザント大森林。
違う、山脈で囲まれてて、南北の小さな道があるけど違う。
それにここは帝国の領内じゃない!
早く早く!
時間がどれくらい残ってるか分からない!
トーザント大森林から北へ山脈を超えて。
見つけた。見つけた!
カルヴァン。
この街だ!
やっと見つけられた。
せんせえへの一歩。
大好きなせんせえへの一歩。
西の山脈へ続く森の中の宿屋。
その山脈の先はアンカス革命議会共和国。
酷い国らしい。
せんせえが『クソと屑を集めて大量のワインと麦を与えるとこうなる』とか言ってた。
なんかすごいね。
でも信用貨幣制モドキって言ってたから進んでそうだけど。
とりあえず、街道に転生ポイントを設置しよう。
せんせえに会いたい。
それから他に色々。
ゲームのキャラクターを作るのと同じような画面。
取り替えて修正して直して。
せんせえに会うための準備をしないと。
異世界転生記ーLˈʌv 0ーPrologues 石田 アマノ @amanosun
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