極度なコミュ障ゆえに謎のゴッホ押しをしてしまう心愛。
そんな彼女が年末年始に学校の女子寮に残って過ごしていると、『居残り組』3人の少女たちと出会うことから始まる青春群像劇です。
まず主人公の心愛のコミュ障ゆえの言い回しがとても面白かったです。
絵を描くのが好きで得意。だけど不器用で挙動不審で、謎にゴッホを押してしまう。
そのせいでぼっちになってしまうけれど、彼女のその突飛な発言の数々で笑わずにはいられませんでした。
また他の3人もキャラが立っていて、高校生らしい等身大の悩みや心情がリアリティあり、コミカルなお話だけで終わらないのがとても魅力的でした。
心愛と出会うことで彼女たちが何かしら前を向くようになるのもまた青春感があって面白かったです。
最後は4人のこれからが見たい気もする締めくくりで、読後感がよかったです!
青春を感じたい人、心愛の言動に笑いたい人、ゴッホが好きな人(笑)におすすめな作品です!
コミュ障すぎて挙動不審な上に、思ってもみない言動ばかり口走ってしまう心愛が本作の主人公。彼女に友達はいない。いわゆるぼっちだ。
しかし本作、悲壮感はゼロである。というか心愛はゴッホに脳内を毒されすぎではないだろうか笑
彼女の突飛な言動にいちいち笑わされ、飽きずに読み進められます。
そんな彼女が、年末年始帰省しない「居残り組」――高飛車なハーフ美女のソーニャ、大人っぽく料理上手な由美子、勝ち気なフルート少女かさねの3人と年末年始を過ごすことになる。
そんな4人に訪れる、小さいけれどあたたかな奇跡とは。
年末年始を学生だけで過ごす特別感が、なんかいいですよねぇ。
短いのでサクッと読めます。おすすめ!
※読み合い企画からのレビューです
なかばいじめられている超コミュ症の心愛は、年末年始を寮で過ごす「居残り組」となってしまう
心愛を含めてたった四人の居残り組は、最初は不協和音を奏でるが──という導入から始まる本作品は、映画「ホールドオーバーズ」を彷彿とさせる舞台設定からして良作の香りがしていた
まず目についたのは、主人公である心愛のキャラクターだ
まともに会話すらできず、したらしたで思ってもないことを口にしてしまう彼女には、わりと悲惨な境遇であるにも関わらずついつい笑ってしまうコミカルさがある
作者のワードセンスが光ると同時に、暗くなりすぎないような塩梅を心掛けているのだろう
彼女たち四人が徐々に心を通わせ、すこしずつ変わっていくさまは、青春というものを強く感じさせるものだった
ほんの九日間、ほんの四万文字弱の物語だが、読者の心に確実に何かを残す作品だ
是非一読してみてほしい