帰り道。
ゆ〜
らじお
片道12分。
家から学校まで。
学校から家まで。
測ったことはない。
今日もイヤフォンをつけて思う。
いつも登下校に聞くラジオが12分。
「こんにちは〜!!今日も聴いてくれてありがとな!
それじゃあ今日も始めましょ〜、『しがないらじお』すたーと!」
変にテンションの高い男性MC1人のラジオ。
ただ、それだけ。
「今回のお悩みは――」
疲れた。
人から評価されること、なんでこんなに辛いんだろう。
『あんたがいると気分が沈む、どっかいってくれない?』
『妹さんはとても賢いらしいわねぇ』
ネガティブな言葉たちが彼の言葉をかき消してゆく。
「――さんは社会人の方かな?簡単に言えないけど、俺にもわかるよ〜
だってこのラジオ再生回数、毎話100数回のみ――」
別にいじめられたって構わない。
差別されたって構わない。
こんな生活嫌だから。
足元はアスファルトの歩道。
右側には車が走っている。
私もあのスピードで考えを振り切れたら。
「――い!!轢かれてぇのか!!!!」
すれ違った自転車に怒鳴られとっさに右に避けた。
抗うことを、やめようとした。
別にもういいよね。
「――さ、アンチとか絶対いるじゃん?
そんなんで明日のことをビクビクしていたらいつまで経っても進めなくね?
てか、それ人生損じゃん」
不意に聴こえた声とメッセージに踏みとどまる。
驚いて顔を上げる。
しかし、そこには誰もいなくて。
淡々と車が真横を通り過ぎていくだけだった。
確かに怯えるだけなんて損だ。
明日のことなんて予知できないし、できたとしても楽しくない。
「なんだっけ、『
誰でも2割には好かれて、2割には嫌われる。6割は無関心って――」
誰でも嫌われることはあるんだ、そうやって割り切ってしまえば少しは楽になれる気がした。
頑張ろう。
少しでも、2割の人に好きになってもらえるように。
そう考えているうちにラジオがプツっと消える。
やっぱり家に着いていた。
帰り道。 ゆ〜 @MainitiNichiyo-bi
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