ネット恋愛なんて馬鹿らしい

煌を逃すな

叶わない恋

「待って、私はほんとは貴方のことずっと好きだったの。だから、…まだ、一緒にいたい。」

震える声で言う。

「…ごめん。これからはお互い自分を信じて生きていこう。結葵なら出来るよ。」

あ、。終わっ、た。もう取り返しがつかない。

首のうしろを冬の冷たい風が通り抜けていく。私の勇気を振り絞った告白はその瞬間、無様に真っ白な雪の中に散った。

「うん…分かった。」

自然と視線が下に落ちる。違う、私が言いたかったのはこんなことじゃない。本当はもっと、ただただ貴方が好きだと、貴方以外何もいらないと、心の中にある想いを全部正直に言いたい。けど、もう私にそんなことを言える勇気は残ってない。

彼の私をみる冷めた黒い瞳を見て、察したからだ。

彼が興味をもっているのは、私ではないと。

分かってはいたけど、その事実をいざ目の前にすると涙が込み上げてきた。こんなところで泣きたくないのに、そのまま涙は流れ落ち、私の頬を濡らす。


「…大丈夫?」

いつもの優しい声で貴方が言う。

もちろん大丈夫ではない。大丈夫な訳がない。

でももうこれ以上、貴方に失望されたくなかった。だから私は、精一杯の笑顔をつくって、

「うん!大丈夫!ありがとう、急にこんなこと言われても困るよね…ごめん。笑」

と、本心とは真逆の言葉を口にした。

「いや、大丈夫…。」

彼もそれを察しているのか、少し眉をひそめながら言う。しかし、それを指摘しないあたり、本当に私に興味がないのだろう。

「じゃあ…またいつか!ばいばい!」

泣かないで、泣かないで、私。泣いたらカオがぐちゃぐちゃになっちゃう。最後くらい、可愛い顔でいよう。

まっすぐ彼の顔を見る。私の好きな綺麗な顔。

「うん。ばいばい。」

彼がちょっと微笑んで言った。

あ、。その顔を見た瞬間、再び目が熱くなるのがわかった。やっぱりまだ好きなんだな。自分でも痛い程わかった。

これ以上みっともない顔を見られないように、すぐ振り返って、歩いていく。

あーあ。なんでこんなことになっちゃったんだろ。どこかで間違えたかな。

貴方との色んな記憶が思い出される。

初めて会った日、一晩中語り明かした日、色んな相談をしあった日、…初めて出会った日。

その全部に今日終止符が打たれたような気がして、虚しくて、虚しくてたまらなかった。


このままだとずっと貴方のこと引きずってしまうような気がして、どうにかして忘れたくなった。

あ、。恋は恋で埋めればいいんじゃない?

また違うひとを好きになれば、昔の恋なんてきっと忘れられる。

こんなにみじめで苦しい思いもしなくていいんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ネット恋愛なんて馬鹿らしい 煌を逃すな @l_kira_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ