夢語り
堺透明
第1話 夢語り
銀は、とんでもないことを言った。友は、呆然とする。
「何いうとんねんな。」
「だから、俺はイベントに行って告白すんねん。」
ガッツポーズをとりながら自信満々にいう。
「やめとき。確率的にあり得へんから。」
「そんなことあらへん。俺は、イケメンやから。」
「それは、そうかもしれんが田舎の中ではや。都会行ったら中の下や。」
「なっ。そんなこと・・・ない。」
少ししょんぼりするが、顔を横にブンブン振りまっすぐ見てくる。
「この妄想男。何回言わせんねん。そもそも彼女に迷惑や。」
「いや、俺と彼女は赤い糸で結ばれてんねん。」
「キモいて。それは誰もが考えることや。」
「何いうとんねん。俺は特別な人間や。」
「それは、アホが考えることや。そろそろ、こまも止めてえや。」
部屋の端っこに座って漫画を、集中して読んでいるこまに声をかける。
「うん・・・。なんの話。俺は、賛成やで。」
漫画に集中しながら、答える。
「読んでないで、止めてくれ。」
「俺は、こまに言われても会心せぇへんで。」
腕を組み、顎を上げる。
「今いいところやねん。やから、友はそっとしとき。恥かくのは、銀やから。」
「それもそうやけど。」
「なら、銀。」
「あっ。」
「銀が、その子に告白したとしてもしその波ができたらお前は飲み込まれてしまいや。そん時どうすんねん。」
銀は、目をつぶって考え出す。
「・・・もう一度告白する。」
「それは、印象に残らない。」
「なら、どすすれば。」
「俺に言われても、答えは持ってない。その考えがなければ、今告白しなければいい。」
「・・・」
「告白するなら、万全でいき。」
「そや、万全でこそ恥をかかへん。」
友は、こまに乗って賛成意見をいう。
「わかった。それよりも、こま・・・漫画逆さまやで。」
「えっ。」
こまは、慌てて漫画をなおす。
「ってこは、最初から聞いてたな。」
「聞いてねぇよ。」
「ぶっ。わっはっはは。」
みんなで笑い出す。銀は、口を開く。
「俺、彼女のこと諦められないから。友・こま、一緒に上手く行く方法を考えてくれ。」
銀は、頭を大きく下げる。
「おう、当たり前だ。」
二人は、銀の肩に手を置く。
「もし俺が口説くなら・・・・」
僕らは、おかしい話を真面目に考えた。
この夢が叶えられたらいいと、友は願った。
夢語り 堺透明 @kasa123
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