第5話
王妃はまだホールには現われていなかった。
自室で、友人の公爵夫人たちと談笑しているようだ。
ロシェル・グヴェンが入って来る。
彼が差し出したカードを見て、王妃は内容に視線をやった。
数秒後、カードを彼に返す。
「いいわ。許します。貴方が案内なさい」
「……よろしいのですか?」
「いいのよ。いずれ案内しましょうと約束していたのです。構わないわ。私が、快く応じたとラファエルに伝えて。それで彼には全て伝わるわ」
「かしこまりました」
ロシェルはそれ以上問答はしなかった。
◇ ◇ ◇
階下に降りて行くと、ラファエルが振り返る。
「許可が出ました。参りましょう。私が案内をします」
「妃殿下にお礼を」
「妃殿下は快く許可をなさいました。貴方にはそう言えば、全てわかると。 お礼は改めて、後日なさるとよろしいかと」
「分かりました」
ラファエルは上階に向けて、騎士の所作で深く一礼した。
「それでは、参りましょう。
【シビュラの塔】へ」
【終】
海に沈むジグラート42 七海ポルカ @reeeeeen13
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。海に沈むジグラート42の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
近況ノート
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます