枸櫞酸

@to_art_oo

枸櫞酸




枸櫞酸

 

 理科室でクエン酸について習った時には、「もっとクエン酸が欲しくて持って帰りたかったら、放課後、理科室に来るように」と、理科の先生が仰いました。授業中の味見では、とても気に入ったので行こうかと思ったけれど、やめたことを思い出します。二段重ねの黒板を初めて見たのは理科室で、その後はスタンダードに高校まで見ることが出来ました。教室ごとの思い出は書ききれません。クエン酸の酸味の強さについても書ききれません。

 カタカナで表記されるクエン酸には、枸櫞酸という漢字があります。枸櫞という漢字はなんでしょうか。柑橘類を思わせて当然の酸味は檸檬があるので当然でしょうが。むしろ中国語では檸檬酸と書くそうでわかりやすく、枸櫞とは、檸檬を超えて酸味の強い果物が存在するようですが、その説明は一般的なのかどうか混乱するところです。杏仁豆腐の上にも有る赤い実は枸杞の実です。ドライフルーツにすると甘いのですが、あれもはじめは酸味が強いのでしょうか。句読点の形が何か実や結晶の形として言われているのでしょうか。句読点と柑橘類を思わせられることができた文章力の当時だった可能性はあります。

 二段重ねで上下の反転する下剋上黒板ですについて、左右では空間に収まらないので、名残か起源は後ろの黒板を振り返ることでしょうか。そのうち消される黒板があります。すると二段重ねであれば振り返ることなく全貌がわかります。

 漢字二文字だけでも横に書いては上の字が左にあり、先に読まれる現在でしかありません。それではへんとつくりの関係に気づき辛い表記になる可能性があります。もしもそれに何か説明を含めたり、求めたのならば。枸櫞や檸檬と書く時のデザインにも、これら森の右を縦書きで読まねばならない理由が在る可能性があります。少ない漢字で如何に表せるか、省略(しかし以前の形かもしれない)は簡体字でも行われます。その漢字に枸櫞酸を売り出すに縦に書くとき、檸檬では、縁起や具合の悪いものがあったかもしれません。

 安寧ですかの挨拶は日本では行われません。繁体字では今も縁は緣と書きます。それでいて、枸櫞と檸檬は両方、右下に家が隠れることは、横書きでも確認できますが、縦書きで確認できないことは、花であれば根と花の何方が左右に置かれているのか、いまいちわからないことです。このとき我々は、先に書く時ほど植物であれば書き出した何と思って書く、のでしょうか。寝ながら芽から花へ育つ先端か。それとも花から縦に見て根に向かうことか。すると横書きに書くことは花が育つものです。縦書きは花が育ち根を探すことです。書かれる時は昔は下から上に向けて記録や試作をした可能性はないのでしょうか。メモは清書で花から根まで探れるようになってはいないのでしょうか。昔の人たちは我々と同じように書き、同じように読んでいたのか。動的や研究が左から右ならば、静的や発表が上から下、またはそれら全て反転や振り返りの黒板の可能性もあります。

 檸檬酸の粒粒が文章に句読点を打ちます。気づかなくてはいけません。

 給食室には甘くした冷凍蜜柑が届きます。

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