「見せる」丁寧な筆致で世界を美しく、残酷に描く作品

 最も印象に残った場面の一つが、冒頭の処刑シーンでした。
 心情描写はもちろん、丁寧な情景描写による隠喩が美しく、「ざまあ」ジャンルに分類されつつ、小説らしい魅力も併せ持っているなと思いました(かといって文体が硬すぎるわけでもなく、説明的すぎるわけでもない。むしろ文章はとても読みやすい)。

 そして物語の「起」の部分(第一幕に相当する部分)では、有名な映画にも負けず劣らずな構造をしており、いい緊張感をもたらしていたように思います!
 またこういった物語は「超越的な能力」を受動的に授けられることも多いかと思いますが、本作の主人公は「魔王の覚醒」を能動的に引き起こします。そういった主人公の内的な強さも、本作の魅力なのではないのでしょうか

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