第5話



 皆さま、お気づきだろうか。

 クソゴミ学院長が俺を脅したのは大体午後4時。あの後、学園の締め切り時刻まで俺は転移魔法の仕組みを説明させられた。大体7時間。そう、今は午後11時。


 この寮、普段ならば非常に便利だ。食堂に行けば食事が食べれて、ルームサービスで掃除を頼むこともできる。そう、普段ならば。


 夜が遅すぎて、食堂が営業していない。管理人も寝ている。昼飯どころか晩飯も抜かれただと・・・?

 誰か・・・ 食べ物をくれぇ・・・! 腹が死ぬ!


 当然のこと、誰も助けてくれなかったので、収納魔法から非常食を出して食べることとなった。明日からは早く帰ろう。




ー翌日ー



 寝坊した。非常にまずい。


 現在の時刻は8時10分だ。なんと、遅刻5分前。あと5分で教室に着かなければならない。

 そして、今の俺は”寝起き”である! すごく強烈な寝癖がついている!


 普通なら、めちゃくちゃ焦るべきだ。が、俺は今何も焦っていない。



 俺には魔法の力があるからな!!




 魔法の力というのは便利で、なんと身支度をする魔法もあるのだ!(ありません。)


 『あまねく神よ、稀代の精霊よ。ここに集まりたまえ。いざ我らの手に、かの力を授けたまえ。《Se préparer》──────顕現!』


 この魔法は素晴らしい物だ。なぜか(?)頭からシャワーに最適な温度に調整された温水が降ってきて、服を濡らすことなく髪の毛を洗い、なぜか(?)ゴムの破片が口の中に入り、歯磨きに最適な動きをし、なぜか(?)上からドライヤーのような最適な風がやってきて、なぜか(?)服が替わっている。


 身支度がなんと、たったの1分で終わってしまうのだ。素晴らしい、素晴らしすぎる!


 よし、教室にワープするぞ。


 『あまねく神よ、稀代の精霊よ。ここに集まりたまえ。いざ我らの手に、かの力を授けたまえ。《Magie de transfert》──────顕現!』



 ブオオオオオオオオン!



 目の前にあるのは教室の扉。チャイムと同時に入室すればセーフッ!


「ふう。よし、遅刻回避だな!」


 扉を開け… あれ、開かない? おかしいな。


「残念だったね、ゴミカ。今日は朝礼だ。体育館集合なんだよ。」


「なん…だと…」


 後ろにいるのは… 学園長!? なんでここに!?


「さて、使用禁止と言ったはずだが。なんで転移魔法を使ったんだい?」


「いや…あの… これには海より深く山より高い理由がありまして…」


「北条家じゃないんだから… とりあえず、体育館に急ぎなさい。」


「はっはい!」


 先に千里眼を使っておくべきだったな… 失敗した。



 ╋╋╋╋╋



 そんなこんな、体育館にやってきた。まさか初日から全校集会とは…いや、入学式があるなら当然か。


 浮いたりしないかな… 友達できるか? なんか、急に心配になってきたな。

 寝るか。



 Zzzzzzzzzzzzzzz…



「そんなわけで、生徒諸君には是非とも規律を守った素晴らしい学園生活を送ってもらいたい。あそこで居眠りしてるゴミカ君は絶対に見習わないように。」


 ファ⁉︎


「というわけで、主席合格スシネヨ・ゴミカ。挨拶をどうぞ。」


 え…? オレェ?


「ほら、早くやりなよ。学年主席君?」


 あの学園長…! やりやがったなぁ! もう怒った。白髪頭にしてやる!

 え、何あのハンドサイン。いうこと聞かなきゃ通報? くっそ、弱みがあるからぁ。



「えー。学年主席らしいです。よろしくお願いします。以上です。」


 よし、帰るぞ。


「はあ、ほんとに不良だねぇ。まあいいや。みんなも自由でいいからね。じゃあ、入学式は終了ー!」


 え、ほんとにこれでいいの? 学園長。

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絶望の末に死亡。でもチョロい女神(天使)を騙せたので、最高の転生スローライフを送る…送らせてください! 灯火(とうか)@チーム海さん @UMIsandayo

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