注目ポイント

この作品は、転生ではなく転移、いわゆる異世界トリップものです。そのため、ヒロインである咲枝は、いつかはもとの世界へ帰らなければならない。咲枝と沐漣は交流を通して互いに惹かれ合っていきますが、そこには約束された別れがある。その切なさに注目して頂きたいです。


 咲枝と沐漣の仲には、咲枝がこよなく愛する歌も重要になってきます。また、聖気を持たないという、輝華では異質とされる特徴の共通点や、互いに妹、弟であるという下の子ということ、けれども沐漣のほうがヒロインである咲枝よりも年下であるという点も、大事に描いていきたい関係性です。


 闘いの最中、沐漣が紅を亡くすことで、沐漣はより咲枝に近い存在となります。その上、ご都合主義的なものにはしたくなかったので、二人は想い合いながらも、最終的に永遠の別れを経験することになります。痛みを伴いながらも、沐漣は輝華の指導者として、咲枝はもとのごく普通の少女として、それぞれの道を歩み始める。しかし、遠く隔てられた場所にいても、二人の心はその先の未来でも繋がっている。


 こんなエンディングもアリだなぁ、そんな風に感じて頂けたら、この物語は成功です。

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世界の旅人【シナリオ版】 望月 葉琉 @mochihalu

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