休息の煎茶

トマトも柄

休息の煎茶

「仕事疲れた」

 ふらっと会社の休憩室に現れた白衣の女性が呟く。

「薬の調合多くて今日大変だったよー! けどこういう時こそこれ!」

 ポットの近くの袋を一つ取り出し、その袋を開けて中身のティーバッグをカップに入れていった。

 そしてそのカップにお湯を注いでいく。

 透明のお湯はティーバッグに当たりながら色を付けて注がれていく。

 葉の色に染められたお湯は濃い自然の色を出しており、飲んでくれるのかを待ち侘びている様子になっている。

「まだよ。 まだティーバッグを取り出してはいけない。 もう少し染まっていくのを待つのよ」

 女性はカップを机に移動させて椅子に座って待機する。

「あ! そうだ! 休憩といえばあれがあるじゃない!」

 女性は椅子から立ち上がり慌ててポットのあった場所に移動して、数十秒後に座ってた椅子に戻ってくる。

 女性の右手には小さな袋を二つ持っており、その袋を机に置いた。

 そしてカップに入れてたティーバッグを取り出し、後でまとめて捨てれるようにティーバッグの入ってた袋に戻した。

 そこで一口カップに口を付けて飲む。

「落ち着くー。 これが休憩の一杯ね。 美味しい」

 女性は休息の煎茶を楽しみつつ、持ってきた小さな袋の一つを開けた。

 それはおまんじゅうだった。

 そのおまんじゅうは小さくて一口で食べれる大きさになっている。

 女性はおまんじゅうを一口で食べた。

「美味しいー! おまんじゅうも美味しいわ」

 おまんじゅうを食べた事により、少し喉の渇きが出てくる。

 その渇きを補うように煎茶に手を伸ばし、一口飲んだ。

 喉の渇きを潤うように煎茶が注ぎ込まれていく。

 そこからもう一つの小さな袋を開けた。

 この中にもおまんじゅうが入っており、こちらも頬張っていく。

 もう一個のおまんじゅうも食べ終わり、そこから煎茶を飲んでいく。

 ほっと一息ついてゆっくり過ごしていく。

 静かな静かな一息の時間。

 女性は休憩室の時計を確認する。

「そろそろ時間ね」

 女性は白衣を整えて、最後に残った煎茶を飲み干す。

 休息の煎茶を飲み終え、女性は再び職場に戻った。

 彼女は職場という戦場に再び戻って行ったのだった。


 

 


 





 

 

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休息の煎茶 トマトも柄 @lazily

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