「じゅうななさい」大人の女はないしょのひみつです。【カクヨムコン10短編】

音無 雪

大人の女はないしょのひみつです。

「どうして腕時計の文字盤を内側にするのですか」


「時計を見ようとする仕草が女性の魅力を引き出す瞬間だからよ。あまり見せない部分を上手く使えばちょっと色っぽく見せることが出来るの 手首の内側、ひじの内側、うなじなんかもそうね。見られたらちょっと恥ずかしいかなと感じるところが武器になるのよ」



前のめりになりながら聞いているのは私の可愛い妹 百合さん

最近殿方からの視線を気にするようになって参りました。私のシスコン補正を抜きにしても美少女ですから注目を浴びるのです。

中学生の彼女は日頃の行いから『聖女ちゃん』と呼ばれる人気者で御座います。


「日頃からきちんとケアをして、ちらっと見られたときに美しくあること イイ女の基本よ」



講師になっているのは親友の爆乳姫子さん

私の部屋でお茶会をしながら大人の女性講座で御座います。

姫子さんかなりモテるのですよね。何回告白をされたのでしょうか 学生時代から数えると両手でも足りません。



女子校でしたが・・・




百合さんの希望で始まった大人の女性講座ではありますが、私も隣で聞き入っております。勉強になりますね。



「百合さんはまだ中学生だから無理をしなくても良いけれど、少しずつ嫋やかな仕草を覚えていくと損はないわね。聖女としてもお嬢の妹としても必要なことよ」


私の妹としての覚悟はあまり必要ございませんよ。今のままで充分可愛いです。最高の妹で御座います。(お察しの通りシスコンで御座います)



「姫子姉さんのおっぱいもちらっと見せる武器ですか」


やはり女の武器となれば百合さんも気になりますよね。迫力の『爆』は強力な武器に間違い御座いません。



「ちらっとじゃなくて堂々と見せる武器ね」


そうきましたか 確かに姫子さんは隠しませんからね。今日もリブ編みのタイトなセーターを着ていますのでしっかりと主張されておりますよ。


「隠そうとしてゆるい服を着るとおデブに見えちゃうのよ。これでも苦労しているのよ」


残念ながら私には分からない苦労で御座います。泣いてなんか居ません。



「雪ねえさまの黒髪も堂々と見せる武器ですよね」


この黒髪は自慢ですからね。それにポニーテールや三つ編みなどにしますとリアル武器になりますよ。



「お嬢の武器は美脚よ。指や脚のちょっとした仕草から上品さを出す天才だからね。私もこれで騙されてお嫁さんになったんだから」


姫子さんを騙した覚えはありませんよ。それにお嫁さんにもしていません。

脚が魅力と言われると嬉しいですが、お胸で戦えない分を頑張っているのですよ。


それに私の仕草よりも姫子さんの方が殿方に刺さる仕草ですから参考になりますからね。


姫子さん 窓の所まで歩いてみてくださいな。



タイトスカートの姫子さん

モデルのウォーキングのように真っ直ぐに歩いて窓の所でターン

こちらまで歩いてきて百合さんの前で片手を腰に右足を半歩前に出してポーズ



「姫子姉さん なんだかえっちです」


歩いただけであなたはエッチなのですよ。微妙に左右へ揺れる腰がエッチなのです。

さらに歩きに合わせてポヨンポヨンするお胸がエッチを加速させています。これが殿方の視線をすべて奪うのですよ。


「私もやってみます」


姫子さんと同じように窓のそばまで歩く百合さん

腰をくねらせようと努力しているようですが、頑張っている感じがとても伝わってきてしまい微笑ましく感じてしまいます。姫子さんと二人で温かな目で見守ってしまいました。やはり私の妹は世界一可愛いのです。


でも百合さんは温かな目が気に入らない様子 頬を膨らませて不機嫌顔です。それがまた可愛いのですけどね。頭ナデナデしてあげましょう。


――――


「姫子姉さんの隠している武器ってなんですか 見えているところ全部武器だと思うんです」


良い所に気が付きましたね。百合さんの言うとおり、姫子さんは全身が武器なのです。最終兵器爆乳姫子さんなのですよ。


でもね。特別に姫子さんの恥ずかしいところ教えて上げましょう。脇の下ですよ。お胸は見えそうなくらいに強調するのに脇だけは見えないようにしてるでしょ

夜会で肩を出すドレスを着るとちょっと恥ずかしがって色っぽいわよ。


「内緒にしてね お嬢しか知らないことなんだから恥ずかしいでしょ」


「わかっています。大人の女はないしょのひみつですよね」


したり顔で頷く百合さん

久しぶりに真っ赤になった姫子さんを見られたので満足です。可愛いですよ。お胸モミモミしてあげましょう。



「雪ねえさまが隠している武器ってなんですか」


私には隠すような武器はありませんよ。隠しきれない女の魅力は溢れていますけどね。おほほほ


「お嬢はね。つま先と足の甲が恥ずかしいのよ。夏でもタイツ姿でしょ 日焼けできない事情はあるけど見られるのが恥ずかしいからタイツなの」


あうぅ この話やめませんか

ふたりともじっと見るのはやめましょうよ。タイツ越しでも恥ずかしくなって参りました。


「やっぱり姫子姉さん詳しいですね」


「お嫁さんだからね」


乙女には隠したいところがあるのですよ。大人の女はないしょのひみつがあるのです。

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「じゅうななさい」大人の女はないしょのひみつです。【カクヨムコン10短編】 音無 雪 @kumadoor

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