第33話

タケはスナッピーの解放された音が好きだった。


終わりの音。


練習が終わるから先輩と一緒にニケツで帰れるから。




斎藤みゆにとっていつしかその音は悲しい音に代わっていた。




今日もあいつは来なかった。


その寂しさを蘇らせるから。






みゆの卒業後、翔に貰ったバイクで彼女を連れ出す。




翔のことをまだ思っているのか表情では分からないが、そのバイクに乗せるとなんとなくわかる。




奴がバイクに彼女を乗せたことが無かったから、奴と行くのならどこに行きたかっただろうか考え行き先を決めていた。




奴が居なくなって一途な美優が誰かとの恋を初めてしまうのが怖かった。





美優は楽器屋に就職。




仕事の付き合いで新たな出会いもある。




自分に気持ちが向かない今、奴を使って忘れさせない意味もあった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

留意的な彼女 あみ @ami-1980

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る