第4話 お披露目パーティ前編
翌日
「ルル~!準備できたか~?お父さんにその可愛い姿を見せておくれ~♡」
「は~い!今行きます!!」
これから僕のお披露目パーティに向かう!ちょっと緊張するけどなんだか楽しみ。
「やっぱりその白いローブも似合うな!ルーカスの可愛らしさが引き立てられてとてもいいが、これじゃ注目の的だな…」
「僕のパーティなんだから目立つに決まってるじゃないですか!」
「それもそうか…じゃあ行こうか!」
「はい!」
ガチャ
「親愛神ユラース様の愛し子様、ご入場です」
ザワザワ
わぁ、やっぱり貴族の人たちは綺麗な人が多いな…
やっぱり女性が少ない。男性は数十人いるのに、女性は十人ちょっと、とちらほらいるだけだ。
「今宵は愛し子が五歳の誕生日を迎えた。喜ばしいことに皆も感謝し、このパーティを楽しんでもらえればいいと思う。では、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
カラーン
みんながそれぞれ乾杯し、騒がしくなってきたころに王子たちがあいさつに来た。
「愛し子様、五歳の誕生日おめでとうございます。良い一年にしていただければと思います。」
第一王子のアレクサンダーが淡々とそういうと、そそくさと会場の隅のほうに行ってしまった。
もう少し話とかしてみたかったな…
その時ふと国王様の方に目をやると、アレクサンダーを心配するような目で追っているのに気づいた。
アレクサンダーは国王様と何かあったのか?そういえば全然国王様とも僕とも目を合わせようとしないし…
「ルーカス、五歳の誕生日おめでとう!愛し子さまが無事に五歳の誕生日を迎えられたこと、とても嬉しく思います!よい一年にしてください!」
「ジュリアン!ありがとう、ジュリアンもよい一年にしてくださいね!」
お互いに形式としての挨拶を終え、少し砕けた話をする
「ルーカス!パーティ楽しい?退屈じゃない?」
「うん!意外と楽しい!もっと緊張するものかと思ってたけどそうでも無いんだね」
「わぁ、ルーカスは凄いね!僕はまだちょっとだけ緊張してる」
そう言うとジュリアンはルーカスを見て少し赤らめた頬をポリポリとかいている
「その、ルーカス、すごく綺麗だね…!」
「ふふ、ありがとう、うれしいよ」
「笑った顔もかわいいなぁ」
「ジュリアンだって目をキラキラさせてて可愛いよ」
「わわ、恥ずかしいな…」
ジュリアンはより一層顔を赤くさせてえへへと笑っている。
イヌ耳でそんな屈託のない笑顔をするとめちゃくちゃかわいいじゃないか!!ん〜っ!もふもふしたい!
「ジュリアン、もうその辺にしなさい」
「あ、父上ごめんなさい!じゃあルーカスまたね!」
「うん、またね!」
ジュリアンはしっぽと手をふりふりさせると会場の真ん中の方に向かってとてとてと走っていった
「やあルーカス、誕生日おめでとう。いい一年にしてね。」
「リアム、ありがとう!」
「そうだ、そういえばルーカスの聖魔法、今日は見せないのかい?」
「え?どうして?」
「今日はお披露目パーティだしそれくらい派手なことしても誰も怒らないんじゃないか?それに聖魔法なら何かを壊すような魔法でもないし。だから早く見せてよ!」
そっか、お披露目パーティだから一応僕が愛し子であることを証明した方がいいのかな?
僕は一応今日までに聖魔法を使えるようにしておいた。といっても広範囲に治癒魔法を施す程度しかできないけど。
天井に向かって手をかざし、「フルキュア」と唱えた。
パーっと会場ホール全体に白く輝く聖魔法が広がった。
会場にいた人達はその魔法から目を離すことができなくなった。
サーっと聖魔法が広がり終えたと思ったら生まれた時のようにその場にいた全員が僕に向かって
「わわ、顔を上げてください!」
僕がそう言うとその場の全員が立ち上がり、拍手が起こった。
「私たちは今奇跡を見たんだ…」
「私、聖魔法をみるの初めてよ」
「聖魔法がこんなに美しいとは…」
「愛し子さまは女神様に本当に愛されているのだな」
「あぁ…今日で死んでも良いくらいだ」
「バカ言うな。今日から愛し子さまが全世界に知れ渡り、活動し始めるのだぞ」
「愛し子さまの魔法で世界は救われる…」
それぞれが口々に思ったことをそのまま口に出しているかのように喋り出す。
聖魔法ってやっぱりみんな見た事ないのか。
女神さまが聖魔法は僕と使徒しか使えないって言ってたしな…
その使徒はどこで魔法を使ってるんだろう?
「俺、決めたよ」
呆然としていたリアムが口を開く。
僕はその時頭の上の好感度が15上がってることには気づかなかった。
「ルーカス、君の聖魔法を研究したい!!10歳からとは言わず、今から王宮に住まないか!?」
「えぇ!?急すぎるよ…」
「そんな事言わないで!こんなに興味を惹かれるのは初めてなんだ!!」
「確かにリアムがここまで興奮してるのを見るのは初めてだな」
国王様がびっくりした様子でリアムを見ている
「父上!ルーカスの王宮住まいを早めましょう!!俺は早くルーカスの色々な聖魔法が見たい!!」
「リアム、落ち着きなさい。ルーカス君が困惑しているよ」
「あぁ、すまない。研究に対してここまで意欲的になるのも久しぶりなんだ!興奮してしまったのは謝るが、早く王宮に来て欲しいのは本音さ。早く5年たたないかなぁ〜!」
「はは、ありがとう…」
リアムは目をギンギンに光らせてこちらを見てくる。階段を降りて会場の真ん中へ向かったと思ったら、ずっとこちらを見ながら食事をしている。
見られながら挨拶するのめっちゃ緊張するんだけどな…
「はじめまして愛し子様、五歳の誕生日を迎えられたこととても嬉しく思います、良い一年にしていただければと。自分はヴィルニール王国騎士団団長を務めてます、ローガン・ガルシアです。オオカミ族の侯爵家の生まれにございます。」
ローガンさんめっちゃ筋肉すごいなぁ、それにオオカミの耳としっぽもシルバーでかっこいい!
僕もあんな筋肉欲しいなぁ…
てかこの人も♡59ってまあまあ高いな…
さっきの聖魔法でみんなの好感度一気に上がったりしちゃったのかな?
「ところで、先程の聖魔法、あれはどう言ったものなのでしょうか?心なしか体が軽くなった気がするのですが…」
「あぁ、あれはフルキュアといって治癒魔法の一種なんです。でも怪我を治すものではなく病気や疲労を治す方の治癒魔法なんですけどね」
「なんと!だから体の奥の方まで癒された感じがしたのですね!素晴らしい御力にございます。うちの騎士団は怪我が多いものですから今度は怪我を治す治癒魔法が見られれば嬉しいです!」
「分かりました、今度王国騎士団の様子を見に行ってもいいですか?」
「もちろんにございます!おっと、では私はこれで」
「はい、ありがとうございました」
僕がそう言うとローガンさんは頭の上の好感度を♡60と、1だけ上げさして、その身体に携えた筋肉をムチムチと言わせながら会場に戻って行った。
「はじめまして愛し子さま、五歳の誕生日おめでとうございます。僕はネルソン侯爵家のアイザック・ネルソンといいます…。コウモリ族ですが、よろしくお願いします…」
コウモリ族なんてのもいるのか!確かにちょっと耳がとがってる気がするし小さいけど牙も見える…!
なんだかヴァンパイアみたいでかっこいいなぁ、僕高校生になっても厨二病抜け出せなくて未だにそういうのに憧れあるんだよなぁ…
僕と同じくらいの年なのに挨拶もしっかりしてて、ちゃんとしてるんだな。
「あの、コウモリ族って飛べたりするんですか?」
「えっと、羽で飛ぶこともできますが、コウモリ族は風魔法が得意な種族なので飛ぶなら浮遊魔法で飛びます…」
「えっ、浮遊魔法なんてのがあるんですか!?コウモリってだけでかっこいいのにそんな魔法も使えるなんて…!」
「えっ、かっこいい…?」
「えぇ!コウモリ族ってえっと、何となくかっこいいし、浮遊魔法も凄いじゃないですか!」
「そ、そうでしょうか…」
アイザックは頬を若干赤らめながらちょっとだけにやけている
褒められたのが嬉しいのかさっきまで♡46だったのが♡58になっている
好感度が12も上がるなんて余程褒められるのが好きなのかな?
「そ、それでは僕はこれで…」
「はい!またお話できたら嬉しいです!」
「は、はい!」
アイザックは牙をみせながらニコッと微笑んで去っていった
「ルーカス君、一旦休憩しなさい。ここに食事を持ってきてあげるよ。」
「ありがとうございます!」
そう言うと国王様は隣にいる執事にアイコンタクトをして食事を持ってこさせた
食事会で食べた時も思ったけど、やっぱり王宮のご飯は違うな〜!公爵家で出るご飯も豪華だけど、王宮のご飯はそれ以上の豪華さと品を感じる。
「パクっ、んーおいしい!」
僕がご飯を食べていると視線が大量にこっちに向いてるのに気づき、恐る恐る顔を上げると…
「はわ…」
「リスみたく口に詰め込んでいるわ…」
「愛らしい…」
と僕を見ながらみんなが小動物を見るみたいな目をしてこちらを見ている。
僕以外にも美味しそうに食べてる人たくさんいるのに僕だけジロジロ見なくても良くないか?
食べずらい……
続く
お父さん ♡285
国王様 ♡55
ジュリアン ♡78
リアム ♡51
アレクサンダー ♡10
ローガン ♡59
アイザック ♡58
次の更新予定
2025年1月10日 16:00 毎週 月・水・金 16:00
ヤンデレだらけの異世界BLは案外平和です~みんなから平等に愛されないとどうやら僕は成人までに殺されるらしい!?~ Lay @lay_
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