第3話  お食事会

 数時間後、僕たち公爵一家は食事会にお呼ばれしたのでその会場へ向かった。


 途中でたくさんの人とすれ違ったのだけど、みんな僕の瞳をちらちら見てくる。


 確かにこの世界には真っ黒な瞳は僕しかいないので珍しいのもわかるけど、そんなにみられるとちょっと恥ずかしい…



 ガチャ


「失礼します、ただいま参りました」


 パパがそう言ってお辞儀をするので僕も真似してお辞儀をする


「おぉ来たか、座りなさい」

「はい」


 椅子に座ろうとするが若干高くて座れない。どうしよう?


「わぁっ」

「ほらこれで座れるだろう」


 そう言っていつの間にか後ろにいたリアムに持ち上げられ、座ることができた。


「ありがとうございます…」

「敬語使わなくていいよ、俺にもジュリアンみたくフランクに接してくれ」

「わかりま…じゃなくてわかった」


 そういうと、リアムはふっと笑って自分の席に戻っていった。


「ではルーカス君が無事に5歳まで育ったお祝いだ、食べよう」

「「「親愛神の祝福があらんことを」」」


 この世界では「親愛神の祝福があらんことを」がすべての挨拶らしい。

 基本的に公の場では「おはよう」とか「こんばんは」とかはない。


 そうしてみんな食べ始め、僕も王宮のごちそうを堪能していると…


「ルーカス君、10歳になったら聖魔法の勉強のために王宮に毎日来ることになるらしいが、もういっそ王宮に住まないか?」

「えっ」

「だって毎日通うの不便じゃないか?うちに住めば毎日この食事が食べられるし、毎日馬車で来なくてもいいだろう?」

「ど、どうでしょうか」


 王宮に住む、か。まあ毎日通わなくていいのも食事も魅力的だけど、パパとお父さんと離れ離れになるのは嫌だし、こんな広いとこ毎日迷いそうでなんかな…


「それがいいよ!そしたら毎日ルーカスとずっと一緒にいられるし!」

「俺もそれはうれしいな、ルーカスの魔法に興味あるし毎日いるんだったら休みの日とかも遊べるだろ?」

「私もいいと思いますよ、まあそうなった際はパパも王宮に住むので安心してくださいね」

「え、お前は呼ん…」

「アーヴィンもそれくらいは許してくれるでしょ?」

「あ、はい」


 みんな結構賛成派なのか、じゃあ別にいいかもしれないな


「いや!!だめだ!!ルルは俺たちの家から通わせる!!断固はんたーい!!!」


 酔ってるのかお父さんが大声でそう叫ぶ。

 耳が取れそうなほどの大きい声だ。


「あなた?」

「いや、今回は譲れない!!王宮に住んだらルルがたくさんの人の目に入るだろう!?みんなルルを好きになるに違いない!!俺はルルの結婚を認めない!!!」


 どんどん話がずれてく…

 お父さん、僕と離れたくないだけじゃ…


「あなた。これ以上騒ぐならいったん気絶しますか?」

「すみません黙ります」

「はいよろしい」


 パパ、さすが…


「ま、まあ、いったんこの話は保留にしよう。」

「そうですね」


 といった具合で話は終わり、食事会も解散となった。

 食事会の間も第一王子のアレクサンダーは一つも口を開かず、ご飯を黙々と食べていた。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 食事会が終わり、用意された部屋に戻って部屋着に着替えて寝る準備をしていた。

 そのとき、コンコンと扉をたたく音がした。


「はーい、どなたですかー?」

「僕だよ!ジュリアン!」

「わ、今開けるね~!」


 ガチャ


「ジュリアン!どうしたの?」

「ちょっとお話があって!」

「ん?」

「あのね、えっとー…」

「…?」

「僕と結婚してください!!」


 ん????え???ちょっと待ってどういう事???


「僕、今日君がホールに入ってきたときに一目ぼれしちゃったんだ!」

「えっ…?」

「ルーカスが入ってきたとき、まるで太陽が君にだけに光を差してるみたいにキラキラして見えて…だから僕と結婚してください!!!」


 え、ジュリアンの好感度が最初から♡65だったのってそういうこと!?

 でもなー…可愛いとは思うけど僕は前世でも女の子が好きだったし、精神年齢は18歳だしまだ恋愛対象としては見れないかな…

 ここはやんわり断っておこう。


「えっと、気持ちはすごくうれしいんだけど僕まだ5歳だし、さっきお父様も結婚は認めないって言ってたし…だから…」

「じゃあ大人になってホワイト公爵から了承もらえればいいってこと!?」

「えーっと~…ん〜…」

「あっ、そっか、そうだよね…今はまだ考えられないよね…」

「そ、そうだね…」

「わかった。でも、ルーカスは僕のこと好き?」

「それはもちろん!ジュリアンは初めてできたお友達だし好きだよ」

「そっか、わかった!ありがとう!」


 そういうとジュリアンは満面の笑みで部屋を後にした。

 あの返しでよかったかのかな…?

 まあジュリアンもわかってくれたみたいだし、なんかちょっと申し訳ないな…



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 ジュリアン視点では…


「今は結婚できないって言ってたけど大人になってホワイト公爵に認めてもらえばいいってことだよね…!

ルーカスも僕のこと好きって言ってたし、お友達にも旦那様にもなれるし!

はぁ、早く大人になってルーカスと結婚したいな~お母さまが好きな相手とはハンショクコウドウ?をして子供を産むって言ってたけどそれも早くできたらいいな~!」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 一方そのころリアムは…


「あのルーカスって子めちゃくちゃ軽かったな~、あんなんでほんとに聖魔法使えるのか?

……俺の目を見つめてきたとき可愛くて思わず丸呑みしそうになったな…。気を付けないと」




 続く


 お父さん     ♡285

 パパ       ♡100

 国王様      ♡55

 ジュリアン    ♡78

 リアム      ♡36

 アレクサンダー  ♡10

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