第2話  いざ王宮へ!

 5年後


 僕は5歳になった。

 女神さまが好感度をみえるようにしてくれたって言ってたけど三歳になるまで好感度は見えずほぼ忘れていた。でも3歳の誕生日に急に好感度が見え、思い出した。

 女神さまの愛し子という事でそれはそれは可愛がられて育ってきた。メイドのサラやマリーも優しいし執事のジェイも優秀でとても恵まれている。

 サラは♡50、マリーは♡51、ジェイは♡66という風に頭の上に好感度が表示されている。

(この後からは話の最後に名前が出た全員分一覧で書き記します。ルーカスの考え事の中にも出てきます。)


 話がそれたけど今日は王宮に5歳になった報告をしに行く。

 生まれて3カ月のときも3歳の誕生日パーティでも王宮に行ったが、大きくて広くて人がいっぱいいるからなんとなく怖いんだよな~…


「ルーカス~準備できた~?」

「パパ!できたよ~!」

「じゃあ入るよ~」


 ガチャ


「うわぁ、やっぱりルーカスは何を着ても可愛らしいな~!」

「えへへ、ありがと!パパ!」

「うっ!かわいい…」

「パパ!?大丈夫?」


 この人は俺を生んだお父さん。

 公共の場ではお母さまと呼ばなきゃいけないけど、家ではパパと呼びなさいと言われたのでそう呼んでいる。

 パパも僕のことをたくさん愛してくれて頭の上に♡100と出ている。

 

 そういえば説明がなくて?マークが浮かんでる人もいると思うので説明すると、この世界には女性が男性より少ないらしく、男性でも子供が埋めるように進化したらしい。まあ、獣人がいたり魔法が使えたりするので今更何も思わないだろうけど。

 一応女性もいるにはいるけど別に女性が特別視されるわけでもないらしい。

 男性とそこまで大差ないらしく、女性騎士や女性の護衛も普通にそこそこいる。


「あの人もこの場にいられたらよかったんだけど…また国王様ので騎士団のお手伝いしてるから」


 またか…僕のもう一人のお父さんは国王様と旧知の仲らしく、よくお父さんが王宮に暇つぶし、じゃなくて仕事に行くんだけど、王宮で散々暴れまわってるみたいで迷惑ごとを起こすとという名の命令で騎士団に指導をしてるらしい。

 なんとお父さんは元王国一の騎士だったそうで、は普通は獣人より力がないはずなのに、お父さんを倒せた者は世界中で一人もいないらしい…

 でもパパに一目惚れして結婚してからはもう騎士としての仕事はやめたらしい。


「でも王宮に行けばお父さんに会えるよね?」

「あぁもちろん!あの人も首を長くして待ってると思うよ」

「わかった!じゃあパパ早く行こ!」

「はいはい、走らないの!」

「は~い」




 ガタッ


「ついた~!」

「じゃあ早速玉座の間に行きましょうか」

「はい、お母さま」


 王宮はやっぱりでかいな~

 庭ももう一棟城が入りそうなほど広い。


 すると城の入り口で手をぶんぶん振ってるお父さんがいた


「ルル!!」

「お父さま~!!」


 お父さんは僕のことをルルと呼ぶ。恥ずかしいから外では言わないでと一度言ったら、ないはずの耳としっぽがあからさまに下がってるように見えたので仕方なくいつでも呼んでいいよと言ったらぱぁっと顔を明るくさせ「大好きだー!!ルルー!」とすごくうれしそうに僕をくしゃくしゃに撫でまわしてた。

 てかお父さんまた好感度上がったな~。100が最大値かと思ってたけど、今のお父さんの頭には♡285と出ている。

 これお父さんに殺されるとかないよね?


「久しぶりだな~!!」

「ふふっ、一週間会ってないだけですよ!」

「こんなに長い一週間なんて初めてだぞ~あぁルルはやっぱりかわいいな~♡ん~♡」


 お父さんが僕のほっぺにキスをしようとするとパパが僕を抱っこしてお父さんを笑顔で、でも口の端をぴくぴくとさせながら見下ろしている


「あなた、このあと国王様に会いに行くんでしょ?こんなとこでそんな崩れた顔しないでくださいね?」

「あ、はい、ごめんなさい」


 元王国一の騎士のお父さんでもパパには勝てない。

 目の奥が笑ってないアルカイックスマイルを見ると背筋が凍る。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


「ホワイト公爵」


 大きい声でそう呼ばれると、重厚な扉が開き、眩しい光に包まれたのちに長いレッドカーペットが姿を現す。


 パパと僕とお父さんが入場し長いレッドカーペットを進むと、玉座の前に到着し、国王の前にひざまずく。


「近くに参れ」


 国王の近くまで歩いていくと、急に国王に抱き上げられ、瞳をのぞき込まれる。

 やっぱり何度見てもすごい迫力だな…

 お父さんやパパもイケメンで綺麗な顔してるから迫力あるんだけど、国王様は貫禄があって荘厳な顔つきをしてるのでまた別の威圧的な迫力がある。


「やはり一切の交じりのない美しい瞳だ。それにまた一段と可愛らしい顔つきになったな。」

「あ、ありがとうございます」

「緊張しているのか?それも可愛らしい、どうだ?王家に来ないか?」

「国王様、冗談はよしてくださいね?」


 パパが先ほどお父さんにしていたアルカイックスマイルを国王様に向ける。

 大丈夫?不敬にならない?と思っていることでしょう。でも大丈夫、お父さんと国王様が仲いいのでパパも仲良くなったのだとか。正確にはお父さんの苦労話で気が合ったらしい。


「ん゛ん、すまないな、これだけ可愛らしいから仕方ないだろう」

「まぁの!ルーカスですから」

「あ、あぁ」


 さすがパパ、国王様まで威嚇してる。


「父上!僕にも見せてください!」


 幼い声がしてその声が聞こえた方向を見ると、イヌ耳が生えた桃色の瞳の少年がこちらを見て尻尾を振っている。

 この子には初めて会ったのに頭の上には♡65と出ている。なんでだろ?


「おぉ、ジュリアンも見てみなさい。この子が女神ユラース様の愛し子だ」

「わぁ…!きれいな瞳…!髪の毛も黒なのに紫が反射しててほんとにきれいです…!」

「え、ええと」

「おっと、紹介がまだだったな。息子たちだ。」

「僕はジュリアン・ウィリアム・ヴィルニール!第三王子でイヌ族です!」

「僕はルーカス・ホワイトです」

「わぁ、ルーカスって素敵な名前だね!ルーカスって呼んでもいい?」

「ジュリアン、ルーカスは愛し子様だからお前より地位が上なのだぞ?」

「わわ、ごめんなさい!ルーカス様!」


 そう、僕は公爵家の生まれだから本来は王子様より地位が下なんだけど、愛し子は特別な存在なので、国王と対等な存在なのだ。

 でもこっちの世界に来てはじめて年の近い子だから、できれば友達になりたい。


「んーん、ルーカスって呼んで!僕もジュリアンって呼んでいい?」

「もちろん!ジュリーって呼んでもいいよ!」

「まだ愛称は早いんじゃないか?」


 急に後ろから話しかけられてびっくりした、年は近そうなのに僕よりずっと背が大きい。


「俺はリアム・ロバート。一応第二王子だけど母の家に入ったからロバートだよ。俺はヘビ族で舌が二本に枝分かれしてるよ。」

「は、はじめまして!」

「ん~父上から聞いてたけどほんとに綺麗な瞳だね、真っ黒で光を反射しないのかと思ってたけどちゃんと光を反射してるんだね。それに聖魔法も興味深い。このあと俺の私室に来ないか?」

「え、あの、ええと」

「ああ、ごめんね。こんなに興味をひかれる存在は初めてで興奮してしまった」

「だ、大丈夫です」


 ずいぶん強引な人だな、好感度も♡32と出てるし、僕というより僕の魔法や体に興味があるみたい。研究熱心なんだろうか?

 というか、この人の瞳も金色で綺麗だな~、ところどころに緑が散らばってて…


「そんなに顔を近づけらると恥ずかしいな」

「わぁ!すみません…」

「ふふ、可愛らしいね」

「ごめんなさい…」


 恥ずかしくなってうつむいてしまった。


「私は第一王子のアレクサンダー・ジョセフ・ヴィルニールだ。ライオン族の獣人だ。」

「は、初めまして!」

「あぁ」


 淡白な人だな~。好感度も♡10と今まで見た人の中で一番低い。でも髪の毛がたてがみみたいでかっこいい…!瞳も明るいオレンジで、顔つきは国王様にそっくり!

 そんなことを考えていたら国王様が口を開いた。


「とりあえずこのくらいにして今日は城に泊まっていきなさい。明日はルーカス君の披露パーティだからな。」

「は、はい!ありがとうございます!」

「今日は食事会を開こう」


 国王様がそういうと、後ろからお父さんが歩いてきて抱きかかえられてしまった。


「さあルーカス、もう行こうか」

「国王様、ありがとうございました。親愛神の祝福があらんことを」

「親愛神の祝福があらんことを」


 お父さんたちはそういうとホールの出口に向かっていった。

 玉座の横でジュリアンが手を振っていたのでルーカスは笑顔で手を振り返した。

 このあと王子たちに異常な執着をされるとも知らずに…




 続く


 お父さん     ♡285

 パパ       ♡100

 サラ       ♡50

 マリー      ♡51

 ジェイ      ♡66

 国王様      ♡55

 ジュリアン    ♡65

 リアム      ♡32

 アレクサンダー  ♡10

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