第4話 エロいシャーペン。
「久雪さん?!」
「ひひ、ひったん!?」
俺が彼女の名を呼ぶまでは、彼女はずっと腰を曲げてシャーペンを眺めていた。
彼女の潔白な瞳が真剣にシャーペンを見ている姿がまるで絵画のようにうつくしい。
「え……
「えぇー?!! あれ本当だったの?!」
「え?」
すると、彼女は不思議な顔で俺を見つめた。しかし俺の視線はずっと彼女の露出している白くてでかい太ももに注目している。
「“あれも”てっきり『夢の中の脚本』だとおもってたよぉ!!」
言わない方がよかったかな?
もしかしたら『君のことを
俺は嫌われないために、再び夢のときと同じように土下座をした。
「ごめんなさーいぃ!!!」
しかし夢と同じように、彼女はやさしく俺の肩を抱え、恋人のように俺を慰めた。
「だからいいって! 二回も土下座してくると困るよぉ……」
天使か? やさしすぎだろ。
「ところでひったんもシャーペン買いに来たの? いっしょに見てこうか!」
「はい! ……」
この人は『学園最強の清楚』で有名であるが、彼女の家系もすごくお金持ちらしく、じつは彼女自身はシャーペンマニアのことも有名。
週に一回は文房具屋でシャーペン眺めてたり、買ったりしているらしい。
「あっ! ひったんこれとかどう? これは『モモグラフレイン』っていうんだけどぉ、『コスパ最近シャーペン』って言われてるよ!」
「えぇ、へぇー……そうなんだぁ……」
彼女は興味津々で、期待の目でじっと俺を見つめた。
「うんうん!」
俺はシャーペンに興味はない。まぁ、でもあの小さな
「じゃあぁ、買います……」
たしかにシャーペンとしての性能がたくさんありそうだから、俺はブラック色をカゴに入れた。
「ブラック色を買ったらぁ……次はシルバー色かな!」
「ごめん……ちがう色で同じシャーペンを買うことはちょっと理解できないです……」
これは実際に聞いたことがあるシャーペン界の『あるある』らしい。
とても好きなシャーペンはできるだけ色を揃えてコレクションにしたい。
俺には理解できない。
「あぁっ!!! ひったんこれとかどう? 『ワットリンク八百』、これかっこいいんだよねぇー!!」
「これかぁ……」
「かっこいいなぁ! なんだか外見的に帝王みたいでかっこいいぃ!!!」
たしかにかっこいい。外見は黒ではあるが、メーカー名はカッコよく赤で書かれてある。そして上部などには金色のデザインであり、他のシャーペンとは違った雰囲気がする。
俺はかこに入れようとしたが、チラッと値段をみたら……。
「九千円??!!!!」
「あーごめんね! 八百は高いの! 五百とかにしたら? 千円ぐらいだけど」
シャーペンって番号ついてんだ。
ていうか番号が三百もちがうだけで相当な値段が変わるな。
俺は目線を隣のワットリンク五百に移し、それをカゴに入れた。
デザインは大して変わらなく、金色のデザインからシルバーに変わっているだけ。
「あの…………ぼくシャーペン二本でいいので……これで失礼します」
「あっおっけー!」
俺は直ちにお会計し、文房具屋から出ていった。なぜなら彼女といっしょにいるだけで心臓がドキドキしてしまう。
夢とはちがい、現実だと恥ずかしい。
そもそも半分ぐらい俺の目線は彼女の太ももに注目してたけど。
俺は突然帰っている途中に俺のすぐ後ろからとある若くて落ちついた女性の声が届いた。
「久雪さんとの夢……おもしろいよ、これからも見せてくれ……」
な?! だれだ?! 俺の夢について知っているのか?!
しかし俺が振り返ると、そこにはだれもいなかった。幻覚かな?
俺は再び帰る道を歩こうと、前に振りもどしたが、そこにはいつのまにか音奈さんが静かに立っていた。
「うおぉ!? 音奈さん!?」
ホラー小説かよ。振り返ったらだれもいないけど、振りもどしたら幽霊が立っていた、みたいなやつ。
「あいっかわらず、すっごいエッロ〜い顔をしてるね! ひったんく〜ん」
「ちょっ! いつのまに……音奈さん」
「へへぇーびっくりしちゃった? わたしはただここで散歩してただけだよ〜ん」
「そ、そうなんですかぁ……」
そして彼女はゆっくりとその場から離れ、俺の横に立ち、ゆっくりと不気味な声で俺に言った。
「今日も……わたしを楽しませるような夢をしてねぇ!」
「は? なに?!」
俺はすぐに彼女のそでを掴もうとしたが、彼女はもうすでにいなくなっていた。
「あれ?」
あたりを見渡しても、彼女はまるで元々ここにいないように消えていた。
「は……?」
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後書きです。
みなさん四話お疲れ様でした!
まだそこまで性描写が多くはありませんが、こっからどんどん増えていきます。
音奈の謎と、ひったんと久雪ちゃんとのイチャイチャシーンもぜひご期待を!
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ハートもうれしいですよぉ!!
学園最強の清楚とイチャイチャしたい! 雪方ハヤ @fengAsensei
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