君はともだち

君はともだち

「君は僕のともだち」と君が言った

　君のともだちにはならない

　君と初めて会ったときから

　君とともだちになりたいと思ったことはなかった

　君はともだちではない

　今までどおりにいられない

　相談なんかしないし、もう相談なんかきかない

　もう同じ夢なんか見ないし、同じ考えなんかできない

　君の傍にはもういかない

　君にはもう何もしてやらない

　君の前で笑わない

　君の前で泣かない

　君のために歌わない

　君のために悩まない

　ともだちなんてなれるわけがない

　今までどおりにいられるわけがない

　無かったことにはさせない

　思い出なんかにはさせない

　君はともだちではない

　君が苦しめばいい

　思い出して苦しめばいい

　胸を掴んで苦しめばいい

　どうしてと泣いて苦しめばいい

　眠れずに苦しめばいい

　一生消えない傷になればいい

　痛みで目が覚めればいい

　忘れられない痛みになればいい

「さみしい」なんてしらない

「うれしい」なんてしらない

「もうちょっと」なんてしらない

「いっしょに」なんてしらない

　もう関わらないと決めた

　もう声も聞かないと決めた

　もう目で追わないと決めた

　もう泣かないと決めたんだ

　もう全部いらないと決めたんだ

　君が苦しめばいい

　胸を掴んで苦しめばいい

　どうしてと泣いて苦しめばいい

　好きだった

　ただ君が好きだったんだ

　君とはもうともだちでいられない

　君にはもう何もしてやれない