第58話

自分はタカヒロを裏切ってしまった。本当にこれで良いのだろうか。


しかし頭を振ると意を決して暗証番号を入れて扉を開けた。



私はタカさんの事を何も知らない。

もしかしたらタカさんは悪い人なのかもしれない。



「…」



扉の向こう、小さな空間の中に入っていたのは二つの紙。


ひとつは紙幣を少し大きくした程度のもので、そこには『2』を先頭に八つのゼロが並んでいた。



「タカさん…」



その小切手より若葉はもうひとつの紙に飛びついた。



そこには紛れもないタカヒロの字で『愛してたよ』と書いてあった。





【END】

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Imitation 楓零軒 @fuuulay

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