第57話

確かに偽物かもしれない。

保証書も鑑定書も何もないし、付け心地がやけに軽い気がする。


若葉は指輪を左手薬指につけると、箱をまじまじと見つめた。



そして指輪の台座を箱から外し、裏を覗いた。



そこにはこれから向かう駅の名前、東口コインロッカーの番号、そして四桁の暗証番号がかかれていた。



若葉は箱を胸に抱きしめた。



降り立った駅の東口に向かう。

そのままコインロッカーが設置されている場所に向かい、目当ての箇所を見つける。


四桁の暗証番号を入れようとしていた若葉の指がふと止まる。



…このままこの扉を開けていいんだろうか。

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