PM12:33
第56話
漫画喫茶に帰ってからはよく覚えていない。
とにかくシャワーを浴びて震える体を抱きしめてうずくまるように寝た。
またここにあの男が来たらどうしようという不安もあった。
不安と同時に期待もあった。
雑居ビルの空きテナントで繰り広げられた滑稽な出来事は、思い出すだけでおぞましくも、至福にも感じる。
一眠りした若葉は荷物を持って漫画喫茶を出た。
若葉はそのまま電車に乗り、行きなれない駅に向かった。
電車の座席に座っているとき、若葉は手の中に小さな箱を収めた。
その蓋を開けて、ヨシキから取り戻した指輪を見つめた。
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