第10話 「数の暴力」を武器にして。
アリシアのいた国は、彼女という圧倒的な戦力を失ったことで次第に滅びの道を歩んでいった。混乱と無力感が広がる中、王国の支配層は次々と崩れ落ち、もはや元の姿を保つことはできなかった。
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数年後――。
アリシアは隣国の静かな町にある小さな工房で、「ぬいぐるみ」を作っていた。
今までの激しい戦いの日々を忘れたかのように、手は穏やかに、そして楽しそうに針を動かしている。
「今日は何を作ろうかな…」
彼女は微笑みながら、綿の束をむんずと片手で掴み取る。
その隣で、村の子供たちが見守っている。
「アリシアお姉ちゃん、今日は何を作るの?」
「今日はね、ふわふわのうさぎさんを作るつもりよ。」
子供たちの目がキラキラと輝く。
「わぁ、楽しみ! ぼくもほしい!」
「私も! あたしも!」
アリシアは針を動かしながら、軽く笑った。
「わかったわ、急いで作ってあげる。」
こうして、彼女は「暴力の魔女」から「癒しの魔女」へと変わり、今日も世界の片隅でたくさんのぬいぐるみを武器に、人々に笑顔を広げていくのだった。
Fin.
私は最強の魔女なので、追放&断罪イベントを暴力で速攻解決します☆ 雲井咲穂 @ishino
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