人類最後である娘が人類最初の異能力者だった話

猫飼 みどり

プロローグ

 30XX年、食物連鎖の頂点に位置してした人類に絶滅の危機が訪れた。

 …人間狩りである。

 それは、ある日突然地球に現れた生命体によって引き起こされた。体長は三メートルを超え、人類の基準で言うならば、頭は大きく、手足は細かった。人類はその生命体を「X」と呼んだ。

 「X」は人類を次々と殺し、どこかへと連れ去っていった。人間が泣き叫んでも、訴えかけても、一度目をつけられたら、必ず殺される。

 全人類が初めて手を組み、あるだけの軍事力を持ってその生命体に立ち向かうが、「X」にとって人類の攻撃など、かすり傷にもならない。

 彼らは何者なのか、どこから来たのか、なぜ地球に来たのか、連れ去られた人々はどうなるのか、誰も知るものはいない。ただ、一つわかることは、彼らは「獣」などではない、人類よりもはるかに上回る知能を持った生命体であることだけだ。

 「X」が地球に現れた瞬間から人類は食物連鎖の頂点ではなくなった。人類が狩られる時代が来たのである。

 そんな絶望的な状況の地球に一人希望となる者がいた。俺の娘である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人類最後である娘が人類最初の異能力者だった話 猫飼 みどり @puple_crow

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画