元旦
金子ふみよ
第1話
今朝はデジタル置時計とスマホのアラームのちょうど中間ぐらいの時間に起きた。神棚と床の間に柏手を打ち、仏壇前で読経。その後洗濯をしつつ、朝食は相変わらず食欲がなくソイラテのみで済ます。その後初詣へと向かったのが8時半過ぎ。集落のお宮さんではもう7時から年交代のこの年の集落長が参拝者の相手をしている。回覧板の予定では9時までの予定だったのだが、行ってみるとすでに後片付けの準備に取り掛かっていた。もう参拝者が見受けられないので予定より早くに片付け始めたとのことだった。お賽銭は賽銭箱に入れ、御神酒料を拝殿で一旦収めた後、集落長に渡した。交換と言うわけではないが、みかんやらカントリーマアムやサブレなどなどのお菓子を授けられた。毎年なら予定時刻なんて過ぎるくらいに人がお宮さんの中で雑談しているのに。去年は集落で少なくない方が亡くなった。もう集落の件数はかつての趨勢の幾分になってしまっているのだろうか。
それでもこの集落で過ごしていかなければならないのだろうと、帰途で思うのだった。
元旦 金子ふみよ @fmy-knk_03_21
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